次の日の昼、実家に寄り、母と一緒に父が入院した総合病院に行きました。
ちゃんと母は父の病室を覚えており、何とか父に面会する事ができました。
父の顔はぼやけており、意識ははっきりしているものの、どこか正気ではなく朦朧とし
ているようでした。
そして私の顔を見た父は「忙しいのに申し訳ないね。わるいね。」と言いました。
悪いなんてことは一切ありません。当たり前のことです。
言葉が出にくいと聞いていたので、どれくらい聞き取りにくいのかと思ったら、そんな
事はなく、普通に聞き取ることができました。しかし父本人は話にくいと言いました。
左手でティッシュボックスがつかめないと言って見せてくれたので、私の手を握っても
らうと、ちゃんと力は入りました。
やっぱり脳梗塞ではないのか。
でもトイレに一人で行く力もなく、看護師さんを呼んで排泄しています。こんな状況
なのに何もないはずはないと私は思いました。
入院して３日目の朝、まだ実家にいる私に病院から電話が入りました。
「脳梗塞がはっきり画像に写りました。すぐに治療に入ります。」
やはり脳梗塞でした。
