遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

夫婦二人で一人前

私の両親も、夫婦二人でいるから在宅で生活できるんです。

どちらが欠けてもダメなんです。

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今日、通院介助の依頼のあったご夫婦。

旦那様から電話で

「歯の具合が悪いから、歯医者に連れて行って

くれないか。」

という依頼でした。

私たちはさっそく歯科医院に電話をし、空き状況を確認して予約を

入れました。

そして15時にお迎えに伺うことを伝えました。

すると、歯の具合が悪いのは、奥様だとその時になって言われました。

歯科医院には旦那様の名前で予約しましたので、すぐに電話をかけ直し、

奥様だったと訂正しました。

 

15時になってお迎えに行き、

「こんにちは。ヘルパーです。お迎えに来ました。」

奥様が返事をして出てこられ

「お迎えって?お父さんどこかに行くの?」

「あれ、奥様の歯が調子悪いって聞きましたけど。」

「え、私は何ともないわよ。」

電話をかけてきた旦那様に話を伺うと、

「この間、歯医者で入れ歯の調整をしてもらったら

すごく調子がいいからお母ちゃんも治してもらえば

いいかと思って電話したんだ。」

旦那様が電話をしたことを知らなかったのか、忘れたのか、奥様は普段着のまま

出かけるつもりもありませんでした。

 

でも、旦那様はきっと奥様が歯の調子が悪いという事を、日ごろから

聞いていたんだと思います。だから、奥様のためを思って電話をして

来たんだと思います。

 

予約をしてしまったし、旦那様は

「まずいいから行ってこい。」

って言われました。

仕方なく着替えを済ませ行く気になってくれましたが、保険証やお薬

手帳がどこにあるかわかりません。

お金だけ持って行きました。

 

診察の結果、やはり奥様の入れ歯にひびが入っていたようでした。

 

このご夫婦宅は二世帯住宅で、二階に息子さんご夫婦が住んでおられます。

息子さんもご両親が二人でぎりぎりの生活をされていることはわかって

おられます。

ケアマネも、特に認知症状の強い奥様を心配して、グループホームへ

の入所についてもご提案もさせていただいているようです。

でも、やはりもう少しこのままの生活を希望されています。

 

私も同じ気持ちです。

多少のつじつまの合わない事や、勘違いはいくらもあります。

それをフォローしてあげるのが、私たち家族であり、ヘルパー

なんだと思っています。