介護というのは、残存機能の低下を防ぎ発展させていく支援が求められます。
ある、ベッド上で生活されているおばあちゃん。
そのおばあちゃんは、ベッドから足をおろして座っている事ができるんです。
そして、ベッドに設置されている介助バーを使えば、立ち上がる事も
できるんです。
それなのに、ベッドで寝たきりになり、排泄もすべておむつの中で全介助の
状態になっています。
なっているんではなく、わざとそうしているんです。
なぜなんでしょうか。
そのおばあちゃんは自分が家族のお荷物になるのが嫌なんだと思います。
廊下にポータブルトイレもあるんです。
おそらく使おうと思えば使えると思います。
でもポータブルトイレを使用したら、誰かに捨ててもらわなければなりません。
排便があれば、臭いも気になります。
それよりだったら、黙って布団の中でおむつに排泄していれば、ヘルパーが交換
し、処理もしてくれて、家族にも迷惑がかからないと思っているではないで
しょうか。
せっかく、座位や立位がとれても、それを自ら低下させてしまうような生活を
選んでいます。
とっても残念に思います。
おそらく、ご家族もそれでいいと思っています。
ヘルパーが訪問した時だけでも、ポータブルトイレに移動させてあげて、
気持ちよく排泄してもらう様にはできないものでしょうか。
どのヘルパーも同じことを考えています。
介護職ではない方たちは、やはり排泄物の処理はしたくありませんか。
介護職には向き不向きがあると思います。
他人のお世話に関しては確かにそうかもしれません。
でも、家族の事だったらできるんじゃないですか。
やっぱり嫌ですか。
トイレで排泄できる人に、おむつをして排泄しなさいって言っても
できませんよ。出せませんから。
それを自らがそれを選んでそうしてるって、相当の覚悟がないと
できないと思います。
回復したくてもしちゃいけないって、思えますか。
年齢に関係ないんです。
いくつになっても元気になる権利はあると思います。
80歳過ぎていても、自分に希望があったら、捨てないでそれに向かって
行ってほしいです。
できることはあきらめないでやり続けてほしいです。
家族思いの、とても素直なおばあちゃん。
自分にも優しくなっていいと思いますよ。