遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

絶対泊まらない息子さん。後悔はないのか。

先日一人暮らしのおばあちゃんが亡くなりました。

 

そのおばあちゃんには退職している息子さんが同じ県内にいました。

 

おばあちゃんは昔から頑固で、他人のいう事をなかなか聞かない

性格で、息子さんのいう事も聞きませんでした。

 

だんだん身体も弱くなってきて、一人で食事の準備をすることができなく

なり、ヘルパーは買い物援助から開始しました。

 

その時は頼まれたお惣菜を買ってきてあげれば、自分で食べる事ができ、

好きな時間に自分の食べたいものを食べて生活していました。

 

しかしだんだん食べたいものもなくなり、食事を拒否するようになって、

とうとう寝たきりになってしまいました。

 

息子さんからの依頼で3食を調理し、食事の介助をしてなんとか一人でも

ヘルパー援助で自宅で生活する事ができました。逆にヘルパーの訪問が

無かったら自宅にいる事はできません。

 

息子さんは月に2回程度は来てくれていましたが、泊まっていった事は

1回もありませんでした。

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そして施設入所や病院受診などご本人に勧めましたがほとんど拒否。

 

どうする事も出来ず、自宅での看取りを覚悟せざるを得ませんでした。

 

万が一亡くなった時の事を考え、医師だけは決めておきました。

 

そしていよいよ危ないなと判断した時、息子さんに一晩ついていてほしいと

依頼しました。しかし、

 

「亡くなった時教えてください」

 

と言われました。

 

ビックリしました。

 

親子仲が険悪だったわけでもなく、息子さんも意地悪な人でもなく、

でもなんで?最後の時くらい泊まってあげたらいいんじゃないですか。

 

私たちの感が当たりました。

 

次の日の朝訪問し、玄関からいつもの挨拶をしましたが返事がありません。

 

嫌な予感がしました。

 

私たちは返答がなかった時、一人で家の中に入ることを禁じられていました

ので、すぐにケアマネに連絡し、一緒に家の中に入りました。

 

ベッドの中で普通に眠っているように冷たくなっていました。

 

昨日私たちが息子さんに泊まってくださいとお願いしたのも聞いています。

それも自宅に帰ってしまったのもわかっています。

絶望感だったんでしょうか。

 

でも今まで自分も誰の言う事も聞かず受診も拒否してきたから、これで良い

と思ったものでしょうか。

 

たった一人自宅で誰にも看取られることなく亡くなっていきました。

 

息子さんは本当にこれで良かったんでしょうか。

 

後悔はしていないんでしょうか。

 

そのあとはケアマネさんにお任せしましたので、私たちはかかわって

いませんが、息子さんの様子はどうだったんでしょうか。

 

こういう親子関係もあるんだなと思いました。

 

これがおばあちゃんの望みだったのかもしれませんが

とっても切なかったです。