遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

1日3回の食事作りがストレスに

食事を1日3回摂る事。

当たり前な事

 

当たり前なのは食べる人にとっての事。

 

しかし作る人にとっては、ストレスの原因にもなります。

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日常生活のなかで、どんなに優秀な主婦でも

 

「今日は簡単に済ませようかな」

「今日はラーメンでも食べに行こうか」

 

自分の体調が悪ければ、

「ねえ、今日帰りにお弁当買ってきてくれる」

 

こんな風になる事もあると思います。

 

でも、このどれもすることができず、必ず自分が作らなければ

ならないとしたらどうでしょうか。

 

結構なストレスだと思いませんか。

 

1台の救急車がきました。

 

そのお宅は脳梗塞で片麻痺のある50代の女性(智子さん仮名)と

少し精神的に落ち込みがあり、離婚して戻ってきた30代の女性(沙羅さん)と

そのまた子供(中学1年生)の3人家族。

 

近隣には智子さんの兄夫婦が住んでいます。

 

このお宅に救急車がきたから、てっきり智子さんに何かがあって

呼んだと思いました。

 

ところが運ばれていったのは沙羅さん。

 

いったい何があったんでしょうか。

 

話を聞くと、沙羅さんが家の中で物を投げたり暴れだして、手が

付けられない状況だったとの事。

 

智子さんが沙羅さんの異変に気付き兄嫁にSOSを発信していました。

そして兄が自宅に行ってみると姪っ子の沙羅さんが暴れていたとの事。

 

ではなぜ沙羅さんは暴れだしたんでしょうか。

 

そうです。ストレスです。

 

沙羅さんは引きこもり気味で、仕事にもついていなかったので、

脳梗塞を発症して退院した母と子供の二人の面倒を見なければ

ならなくなりました。

 

そんな生活が始まって2か月程度だったでしょうか。

始めは頑張っていました。

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しかしとうとう爆発してしまいました。

 

療養中の智子さんにとっては、生活のなかで食事が一番の楽しみ

だったのかもしれません。

一人で外出できるわけでもないし、趣味の楽しみができるわけでもありません。

 

智子さんは、8時・12時・18時には自分で部屋から出てきて

食卓テーブルについて食事が出てくるのを待ったそうです。

きちっと時間通り1日3回。

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このきちっと1日3回。

母が食卓につく事。

これこそが沙羅さんの最大のストレスとなってしまいました。

 

どう思いますか。

 

どちらの立場もわかります。

 

智子さんにとっては、言われる前に行動して娘の負担にならない

様に、頑張って一人で食卓まで来ているんです。

 

沙羅さんにすればメニューが浮かばない時も、台所に立ちたくない時も

母が時間になれば食事はまだかと言わんばかりに座っている。

 

救急車で運ばれた沙羅さんは精神科に運ばれ、点滴を受けながら

医師に話を聞いてもらって何とか落ち着きを取り戻したとの事。

点滴終了後に帰宅する事になりました。

 

しかしここからがさらなる問題が。

 

沙羅さんは智子さんとの生活を拒否。

 

最もです。今は元の生活に戻すことはできません。

二人の距離をおいて、時間が解決するのかどうか様子をみる

必要があります。

 

そして智子さんは兄夫婦の家に行く事になりました。

兄夫婦の家は智子さんにとっては実家です。

 

実家であっても今は別世帯です。

そこには兄嫁がいておじちゃんもいます。

 

兄嫁さんはとても良い人です。介護のプロです。

しかし仕事と家庭は別です。

 

今まで夫婦とおじいちゃんの生活なら、食事もそんなに気負わなくても

よかったはず。

でも義妹が片麻痺で毎日いたら、その負担は相当なものです。

 

でも智子さんにとっても、兄夫婦に迷惑をかけると言った心の負担が

のしかかってきます。

 

どちらにとってもいい事ではありません。

 

今後智子さんの生活と沙羅さんの生活とどのようにしていくのか

課題が山積みです。

 

仕事ができない沙羅さんは自分の家にいれば一番です。

 

しかし、その家は智子さんが生活しやすいように住宅改修された

家なんです。だから智子さんを自宅にかえせば、智子さんは

介護保険の制度を使えば何とか一人でも生活できます。

 

沙羅さんはどこに?市営住宅?母子寮?

 

なかなか難しい事ですが、経済的な事がなんとかなれば

色々な方法もあるんでしょうけど、大変な状況です。

 

ストレスは生活を壊してしまうことがあります。

 

こんな事になる前に助けてあげられることがあれば、支援したいです。

早めに声を出して訴えてください。

 

自分一人の殻に閉じ込もらないで、声に出してください。

 

 声に出すだけで、だいぶ楽になると思います。

 

 

私でよければお話聞きますよ~。。。