遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

80代の母が50代の息子を看病

今日お掃除で訪問した一人暮らしのおばあちゃん。

 

悲痛な叫びをあげていました。

 

このおばあちゃんの息子さん(独身)があまり良くない病気になって

しまいました。

 

息子さんは同じ市内に自分の家がありますが、病気になってから

週3日くらい実家にくる生活をしている様です。

 

その目的が食事を食べる事。

 

息子さんもお一人で、今まで自由気ままな食生活をしていた

様ですが、病気のせいと薬の副作用で食事を受け付けなく

なってしまったようで、母の手作りの食事ならいくらかでも

食べられるんでしょう。母の所に来るんです。

 

しかし母も80を過ぎ、若い時のように色々な手料理を作る

事も大変になってきています。

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息子さんが病気になるまではこのおばあちゃんも、自分の

食べたいものが、1つか2つあれば十分で、食事作りに

困るような事はありませんでした。

 

ところが息子さんが食事目的に自分の所にくることがわかって

から、息子さんが来るたびに、今日は何を食べさせようか

何を作ろうかと考えなければならなくなりました。

 

このおばあちゃん、右腕が上がらずヘルパーのお掃除を依頼して

います。

 

週1回の訪問なんですが、行くたびに自分の体の衰えと疲れを

訴えられます。でも息子さんに来るなとも言えず、来ないでほしい

のが本音だと言われます。

 

今日話されたのはモーテルでもいいから何も考えないでゆっくり泊まり

たいと言われました。その話を娘さんにもしたら、だれが見てるか

わからないんだからやめてと言われたそうです。

 

だったらショートステイに、自分も入れるのかと聞かれました。

 

この方は要支援の方ですが、1~2泊くらいだったら十分入れます。

 

でも結局は一時しのぎであって、またすぐに同じ生活が待っています。

 

息子さんは入院を拒否し、通院と服薬で治療をしたいと希望された

そうです。

 

結局その負担が高齢の母親に来てしまいました。

 

どちらの気持ちもわかるし、どちらも気の毒です。

 

せめて食事ができるようになれば、受け付けてくれるようになれば

このおばあちゃんも救われますが、いくら食べても結局は受け付けず

苦しい結果になってしまい、見ているのがつらいそうです。

 

私たちはこのおばあちゃんにどのように寄り添い、助けてあげれば

良いんでしょうか。

 

息子さんの事は何もできないし、おばあちゃんの話をただ傾聴するだけ。

 

でもそれだけでも良いと言います。誰にも相談できないし、話せる内容

じゃないし、聞いてくれるだけでちょっと楽になるって言われます。

 

息子さんの病気が快方に向かい、おばあちゃんが元の生活に戻れれば

一件落着なんですが、どのようになって行くかは誰にもわかりません。

 

見えないゴールに向かって、80歳を超えても母は母で息子のために

頑張ります。

 

こんな事が起こらないように、若い皆さんは不摂生しないでしっかり

した食生活を送り、健康を維持してください。

 

生活習慣病は本当に悲劇を招きます。

 

若いと無理もできるし、なんとも思わないと思います。

 

でも50歳をすぎた頃にこんな事が起こります。

 

 

 

気を付けてください。