遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

私の介護の原点は主人の大病だったんです。①

 

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今の職に就いたきっかけ。

 

それはまだ30代の時に主人が大病した事がきっかけでした。

 

これを語り始めたら、介護ではなく病気ブログになってしまいます。

 

本当に壮絶な戦いでした。5月から12月まで7か月の闘病生活

でした。

 

 

 

学校を卒業し、主人が就職したのが今の社会福祉法人。

 

その当時障害者施設は3施設、老人ホームが1施設の法人でした。

 

主人は特別養護老人ホームのショートステイ担当の職員でした。

 

その年の5月に私が先に突然体調を崩し、熱が下がらず肝機能障害も

起こし入院。主人も不調だったけど、施設から座薬をもらって

仕事に出ていました。しかし私の所に見舞いに来た主人がやっぱり

自分も具合が悪いと言ったんです。

 

その次の日今度は主人も高熱で入院となりました。

 

二人の幼い子供を残し、夫婦二人が入院してしまいました。

 

その原因が姑さんからもらって食べた折り詰めでした。

 

子供たちは食べなかったので、免れました。

 

要するに食あたり、食中毒が始まりでした。

 

先に入院した私は徐々に回復していきましたが、あとから入院した

主人が重症となっていきました。

 

40度を超える高熱が出て座薬をさせば一時的に下がります。

しかしまたすぐに激しい震えとともに40度の熱が上がってきます。

その繰り返しで苦しみました。

 

そしてその原因を探る検査を繰り返し、驚きの結果が出ました。

 

なんと、法定伝染病に指定されている「パラチフス」だったんです。

これが主人からだけ検出され、私からは検出されませんでした。

 

知っていますか。最近は教科書に載ってる程度でしかわかりません

よね。それが現実になったんです。

 

医師から外国旅行でもして、現地の生水でも飲まない限りこんな

菌は出ないんだけどと言われました。外国になんか行っていません。

子供たちはなんともなかったので、おそらく折り詰めだろうという

結果になりました。

 

病名がわかった途端大騒ぎです。

 

子供たちは主人の実家に行っていましたので、まず家のトイレの

消毒・下水の消毒をしなければならず、勤務していた施設の

職員全員に検便の指示。確か保健所が入りました。周りにも

迷惑をかけてしまいました。

 

 

主人は法定伝染病病棟のある大きい病院に転院する事になりました。

 

私もまだ完治しておらず入院中の出来事です。

 

転院の時、病院の病棟でバイバイでした。

 

自分も自分でしたが、やはり重症の主人が心配で眠れませんでした。

 

それから次の日です。

 

突然主人の病院から連絡が入り、主人が緊急手術だから大至急来て下さいって。

 

パジャマにガウンを来て駆け付けました。

 

緊急手術って何?

 

病状を聞くと、パラチフス菌が腸に穴をあけて腹膜炎を起こしているという

説明でした。

 

開腹手術をして腸の破けた部分を探し、もしかしたら状況によっては人工肛門

にするかもしれないと言われ、家族の同意が必要との事で呼ばれたのでした。

 

その時主人はすでに手術室の中で準備が進められており、私の到着を待って

手術開始するところまでいっていました。主人に会う事もできませんでした。

 

頭で考えるとか判断するとかそんな余裕はなく、早く早くという状態で

あっと言う間に手術が開始されました。

 

どのくらいの時間が経過したのか覚えていませんが、手術は無事に終わり、

穴のあいた切り取った腸を見せてくれました。大きな穴が2~3か所あいていて

小腸だったので人口肛門は作らなくても大丈夫だったと説明されました。

 

これで大丈夫と思い、私は入院中の病院に戻りました。

 

入院中の身でしたが、主人に面会に行くための外出は許可され、次の日も

面会に行くことはできました。

 

 

 

 

 

 

主人からどういう状況だったのかを聞きました。

 

伝染病は病室から出る事は出来ないので、排泄もポータブルトイレ使用

でした。便意をもよおし、ポータブルトイレに座った途端激しい腹痛に襲われ、

大量の血便が出たんだそうです。

 

そして緊急手術になったって。

 

そこまでは普通に話をしました。

 

その次です、主人の言葉がおかしくなったのは。

 

「おれ、ここに行ってきた」

 

「え?何?」

 

主人が指をさしたのが、病室の壁にあった滝平次郎の影の絵カレンダー

でした。

 

ここへ行ってきたって。何言ってんの。なんかおかしい。

 

背中が寒くなったのを覚えています。

 

 

また続きはこの次にします。

 

 

 

 

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