遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

義父への食事介助で思う事。

 

 

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私は今まで実家の両親についての介護記録を綴ってきましたが、

実は主人の父、義父も要介護者で主人の兄夫婦の介護を受けて

います。

 

ここ最近半年くらい前からだいぶ弱くなり、今では食事も

全介助の状態になっています。

 

 

まだ義父も義母も元気な頃は、年末年始をみんなで温泉で過ごし、

今年もやったようにビンゴを楽しむのが恒例の家族行事になって

いました。

 

元気だった義母がH16年に急性骨髄性白血病で71歳の若さで

他界してしまい、そこから残された義父の元気がなくなってきま

した。

 

最初は家で暮らしていましたが、自分で食事の準備もやった事が

無かったので、自分のために料理をする事もなく、結局義兄の所へ

引き取られて行きました。

 

そんな義父が最近は車いすで、排泄もほぼ全介助の状態となり、

介護に無縁だった兄夫婦が今はすべての面倒を見ています。

 

そしてここ2年は私も両親のところで年末年始を過ごさせてもらい

今年3年ぶりに義父を囲んでの正月となりました。

 

岩手の温泉にも参加しました。

 

そこで目にした義父への食事介助です。

 

私は絶賛しました。素晴らしい介助だと思いました。

 

しかし温泉の大広場で他人の見ているところで行うには

少し抵抗がありました。

 

もしかしたら「虐待」に見える?

 

「う~、もうやめてくれ~、苦しい」

 

「お父さん、薬飲むのに食べないと飲めませんよ。はい」

                        ↑

                   ここで口に入れます

 

今の義父の食事形態はほぼミキサー食です。

 

温泉に来てもそのお料理は食べられないので、義姉が作って

持参していました。

 

ところがほんの数口であといらないと拒否をします。

 

首を振って拒否します。

 

「あと一杯だ~。終わりにしてくれ~」

 

「お父さん、ひ孫が見てますよ食べましょう。はい。」

 

「あと入らないよ~。いっぱいだよ~。」

 

「じゃあこれ一口で終わりにしましょう。はい。」

 

「う~ん。もういい。頼むからやめてくれ~。」

 

「あれ、お父さんひ孫たちがすごいって見てますよ。はい。」

 

これがまた、スプーンを口元に持って行くとちゃんと口をあくんです。

 

むせる事もなく、ちゃんと飲み込むんです。

 

「もう無理だよ~。苦しいんだよ~。」

 

「でもお父さん、薬飲むのにもう少し食べないと。はい。」

 

こんな感じに口に入れればちゃんと食べます。そしてほぼ完食します。

 

食べられるんです。

 

ところが、時々利用しているショートステイ。

 

ここから帰宅すると、げっそりと痩せて帰ってくるんだそうです。

 

義父が今の様に拒否をすれば、施設内では無理強いする事はなく

食事を食べさせないでやめてしまうんでしょう。

 

家族としたら食べさせてほしいです。

 

言葉は悪いですが、だましても食べさせてほしいです。

 

しかし施設職員の立場から言ったら難しいんでしょう。

 

こういう場合は食堂で食事させなくても、個室のお部屋で食べて

もらえば周りの目を気にしないで食べさせる事ができるんじゃ

無いでしょうか。

 

それも新人が行うのではなく、ある程度のベテランがやれば

上手にやってくれると思うんですが。

 

その反面思いました。これは義父と義姉の信頼関係があって

できる事なのかな~。

 

義兄や主人はやはり感情的になってしまい、怒りたくなってしまいます。

 

しかし義姉は怒ることなく、上手に声掛けし上手いタイミングで

食事を口の中に入れていきます。

 

虐待かそうではないか。

 

そのラインは難しい問題だと思います。

 

でも、食べなければ生命に危険を脅かす事になります。

 

この場合は決して虐待ではないと私は思います。

 

このような状況を目にしたら、皆さんはどう感じられるんでしょうか。

 

 

 

 

義父は先日膀胱がんの宣告を受けました。

 

90歳を過ぎた高齢なので、治療にも制限があると思います。

 

次の通院で治療方針も決まるとの事です。

 

入院になるかもしれません。

 

病院ではどんな食事介助になるんでしょうか。

 

こんな根気よく食べさせてくれるんでしょうか。

 

私は義父に対して直接介護はできませんが、義兄夫婦の協力

要請があった時は駆け付けるつもりです。

 

実家の両親にはまだ食事介助や排泄介助の必要はありませんが、

すぐそこまで来ていると思っています。

 

私も義姉の様にできるでしょうか。

 

きっと親のために頑張ると思います。

 

介護は優しく優しくでは続かない事もあります。

 

心を鬼にしなければならない事もあります。

 

そうやってみんな頑張っていますが、一人でしょわないで

協力して長い介護を継続できればいいなと思います。

 

義父さん、若い者たちを信じて頑張りましょうね。

 

 

 

 

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