私は今まで実家の両親についての介護記録を綴ってきましたが、
実は主人の父、義父も要介護者で主人の兄夫婦の介護を受けて
います。
ここ最近半年くらい前からだいぶ弱くなり、今では食事も
全介助の状態になっています。
まだ義父も義母も元気な頃は、年末年始をみんなで温泉で過ごし、
今年もやったようにビンゴを楽しむのが恒例の家族行事になって
いました。
元気だった義母がH16年に急性骨髄性白血病で71歳の若さで
他界してしまい、そこから残された義父の元気がなくなってきま
した。
最初は家で暮らしていましたが、自分で食事の準備もやった事が
無かったので、自分のために料理をする事もなく、結局義兄の所へ
引き取られて行きました。
そんな義父が最近は車いすで、排泄もほぼ全介助の状態となり、
介護に無縁だった兄夫婦が今はすべての面倒を見ています。
そしてここ2年は私も両親のところで年末年始を過ごさせてもらい
今年3年ぶりに義父を囲んでの正月となりました。
岩手の温泉にも参加しました。
そこで目にした義父への食事介助です。
私は絶賛しました。素晴らしい介助だと思いました。
しかし温泉の大広場で他人の見ているところで行うには
少し抵抗がありました。
もしかしたら「虐待」に見える?
「う~、もうやめてくれ~、苦しい」
「お父さん、薬飲むのに食べないと飲めませんよ。はい」
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ここで口に入れます。
今の義父の食事形態はほぼミキサー食です。
温泉に来てもそのお料理は食べられないので、義姉が作って
持参していました。
ところがほんの数口であといらないと拒否をします。
首を振って拒否します。
「あと一杯だ~。終わりにしてくれ~」
「お父さん、ひ孫が見てますよ食べましょう。はい。」
「あと入らないよ~。いっぱいだよ~。」
「じゃあこれ一口で終わりにしましょう。はい。」
「う~ん。もういい。頼むからやめてくれ~。」
「あれ、お父さんひ孫たちがすごいって見てますよ。はい。」
これがまた、スプーンを口元に持って行くとちゃんと口をあくんです。
むせる事もなく、ちゃんと飲み込むんです。
「もう無理だよ~。苦しいんだよ~。」
「でもお父さん、薬飲むのにもう少し食べないと。はい。」
こんな感じに口に入れればちゃんと食べます。そしてほぼ完食します。
食べられるんです。
ところが、時々利用しているショートステイ。
ここから帰宅すると、げっそりと痩せて帰ってくるんだそうです。
義父が今の様に拒否をすれば、施設内では無理強いする事はなく
食事を食べさせないでやめてしまうんでしょう。
家族としたら食べさせてほしいです。
言葉は悪いですが、だましても食べさせてほしいです。
しかし施設職員の立場から言ったら難しいんでしょう。
こういう場合は食堂で食事させなくても、個室のお部屋で食べて
もらえば周りの目を気にしないで食べさせる事ができるんじゃ
無いでしょうか。
それも新人が行うのではなく、ある程度のベテランがやれば
上手にやってくれると思うんですが。
その反面思いました。これは義父と義姉の信頼関係があって
できる事なのかな~。
義兄や主人はやはり感情的になってしまい、怒りたくなってしまいます。
しかし義姉は怒ることなく、上手に声掛けし上手いタイミングで
食事を口の中に入れていきます。
虐待かそうではないか。
そのラインは難しい問題だと思います。
でも、食べなければ生命に危険を脅かす事になります。
この場合は決して虐待ではないと私は思います。
このような状況を目にしたら、皆さんはどう感じられるんでしょうか。
義父は先日膀胱がんの宣告を受けました。
90歳を過ぎた高齢なので、治療にも制限があると思います。
次の通院で治療方針も決まるとの事です。
入院になるかもしれません。
病院ではどんな食事介助になるんでしょうか。
こんな根気よく食べさせてくれるんでしょうか。
私は義父に対して直接介護はできませんが、義兄夫婦の協力
要請があった時は駆け付けるつもりです。
実家の両親にはまだ食事介助や排泄介助の必要はありませんが、
すぐそこまで来ていると思っています。
私も義姉の様にできるでしょうか。
きっと親のために頑張ると思います。
介護は優しく優しくでは続かない事もあります。
心を鬼にしなければならない事もあります。
そうやってみんな頑張っていますが、一人でしょわないで
協力して長い介護を継続できればいいなと思います。
義父さん、若い者たちを信じて頑張りましょうね。