遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

在宅の利用者から疥癬が出ました。

 

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今日ヘルパーで通院介助した利用者さん。

 

もうだいぶ前から体がかゆく、何回か皮膚科受診して飲み薬や

軟膏を処方してもらいましたが、いっこうに改善しませんでした。

 

本当は24日が次回の皮膚科通院でしたが、どうしても痒みが

強く我慢ができないという事で、今日皮膚科に行ったんです。

 

今日も最初はただの湿疹だと言われ、この前処方した薬をちゃんと

飲むようにと言われましたが、その薬を飲んでも良くならないから

今日も来たんだと言い、検査をしてもらう事にしました。

 

医師が発赤のところから皮膚を採取し、顕微鏡で覗いたら疥癬だった

という事でした。

 

疥癬はヒセンダニが人の皮膚に寄生して起こる皮膚病です。

 

疥癬と言ったら施設の感染マニュアルにも載っているもので、

通常疥癬ならまだいいですが、ノルウェー疥癬と言って重症の場合は

感染力も強く大変な事になります。

 

こんな疥癬が他の人から移ったのではなく、なぜこの方に発症したん

でしょうか。

 

 

 

 

 

 

ここのおうちは山のてっぺんにあり、昔は酪農で生計を立てていました。

 

今は酪農もやめ夫婦二人で生活していますが、犬を何匹か飼っており、

その犬が家の中も普通に入ってきて、放し飼い状態でした。

 

痒みが始まったのが秋ごろです。

 

その飼い犬がアナグマを襲い、食べたんだそうです。

 

その話もビックリです。

 

そしたら犬たちがバタバタと死んでいったそうです。

 

体に痒みが出たのがこの時で、犬たちも痒みで毛をかきむしって

死んだそうです。

 

おそらくここからヒセンダニが来たんじゃないでしょうか。

 

この時から受診はしましたが、疥癬の診断はついていませんでした。

 

今日初めて検査をしたんでしょうか。

 

今日だってただの湿疹で終わらせられるところでした。

 

いくら薬を飲んでも塗っても治らないはずです。

 

同居のおばあちゃんは痒くないと言いますが、本当はどうなんでしょうか。

 

このおばあちゃんは病院にかかっていない事が自慢なので、

痒いと言えないんじゃないかとヘルパーたちは言います。

 

もし感染してるなら、二人が一緒に治療しなかったら、いつまで

たっても疥癬は死滅しません。

 

この山の上は水がとても貴重で、洗濯は滅多にしないし、お風呂は

おじいちゃんは1日おきに入っている様ですが、おばあちゃんは

全然入っていないそうです。

 

薬も全身に塗らなければなりませんが、おじいちゃんが一人では

塗れないしおばあちゃんも認知症で難しいと言います。

 

一体どうすればいいんでしょう。

 

昔訪問入浴で疥癬の利用者を対応した時、「六一〇ハップ」

(むとはっぷ)を入れて洗ったもんです。

 

最近聞かなくなりました。今も手に入るんでしょうか。

 

私は昔の人間なので、疥癬には六一〇ハップが一番効くと思っています。

 

そうでもしないと、このご夫婦の家から疥癬はいなくならない

ような気がします。

 

介助したヘルパーのユニホームは60度のお湯に浸して、疥癬の

原因となるダニを死滅させ、その後洗濯をします。

 

自宅には持ち帰りません。

 

細心の注意を払わないと、見えないダニが潜んでいたら大変です。

 

乗った車は殺虫剤で消毒し万全を期します。

 

施設利用者ではなかったので、施設内での騒ぎにはなりませんが、

関わる私たちヘルパーは頭が痛いです。

 

次回2W後の通院です。

 

それまでに少しでも良くなることを祈っています。

 

 

 

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