遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

午前に訪問した利用者宅が午後に全焼しました。

 

 

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ヒデオさん。息子さんと二人暮らし。市内には娘さんもいます。

 

高齢で糖尿病がありインスリンもやっているので、減塩食の柔らかめ

の調理をしに週3回訪問しています。

 

食材は息子さんが外の小屋の中にある冷蔵庫に入れてくれています。

 

ヘルパーは訪問するとまず小屋に行き食材を見て、調理に必要な

野菜やお肉・お魚を持って台所に入ります。

 

台所に入るとヒデオさんが、薪ストーブをつけて台所を温かくして

くれます。

 

時には暑すぎて困るくらいになる事もあります。

 

でもそれはヒデオさんの優しさです。調理に来てくれたヘルパーさんが

寒い思いをしない様に気を使ってくれているんです。

 

 

今日も朝9時過ぎに訪問していつものようにお魚・煮物・お浸し等を

食卓のテーブルに置いてきました。

 

本当にいつも通りに。

 

訪問を終えてヘルパーが事業所に戻ったのが10時半少し前。

 

時は普通に流れました。

 

15時過ぎにその一報が入りました。

 

 

「〇〇地区火事だってよ。」

 

「えーー、どこだろう。」

 

この時はまだ他人事でした。

 

社協さんの職員が消防に問い合わせをしてくれました。

 

「えーーΣ(゚Д゚)ヒデオさんちだって。」

 

「えーーーーヒデオさんち。」

 

もうビックリしすぎて鳥肌が止まりません。

 

「まだ燃えてるって。」

 

午前中に訪問したヘルパーもいました。

 

小屋から火が出たらしく、それも爆発が発生したらしい。

 

 

 

小屋って、ヘルパーは食材を取りに入ります。

 

必ず入ります。

 

何だか嫌な感じです。

 

そうしているうちに警察から電話が来ました。

 

今日訪問したヘルパーに話が聞きたいって。

 

ヘルパーは真実を伝えました。

 

何も悪い事はしていません。

 

 

 

小屋が燃えてしまった。

 

それだけでもショックでした。

 

ところがそれから間もなく家まで全焼したって連絡が。

 

ヒデオさんは大丈夫だけど、一応救急車で病院に行ったって。

 

 

 

 

さあそれからがまた大変です。

 

ヒデオさんが帰るところがありません。

 

火事の知らせを包括の担当が息子さんに連絡しました。

 

息子さんからヒデオさんの受け入れ場所を探してほしいと

言われました。

 

今日は金曜日。明日は土曜日。

 

ヒデオさんはインスリンや内服薬は必需品です。

 

それも全部燃えてしまいました。

 

今晩打つインスリンもありません。

 

連休で病院も休みになります。

 

 

 

このまま病院に入院させてくれればいいんですが、体は何とも

ないとの事だったので、どうしても早急に受け入れ施設を探さな

ければなりません。

 

インスリンがあるとなかなか難しい様です。

 

この地区の越冬施設の空き部屋を当たったり、養護老人ホームに

問い合わせたり包括の担当は大変でした。

 

 

 

市の高齢者福祉係も巻き込んで、病院にいるヒデオさんの様子を

聞いてもらったり色々なことをやりました。

 

すると普段病院が患者さんの個人情報を教える事なんかないんですが

さすが市が問い合わせたらすぐに教えてくれて、「気管熱傷」

の為入院になりますと教えてくれました。

 

ちょっと安心しました。

 

気管熱傷は大変な事ですが、入院なら薬もインスリンも心配ない

ですから。

 

とりあえず入院出来て良かったです。

 

 

その間も警察から再度連絡がきて、ヘルパーが午後からも訪問して

いないか、訪問したヘルパーは決まった時間に事業所に戻って

いるか等アリバイを証明できるかみたいな質問をされました。

 

なぜ小屋が爆発したのか、ヘルパーにはわかりません。

 

後日現場検証で出火原因がわかると思いますが、たぶん家族にも

思い当たるような事はないと思います。

 

小屋が爆発してどれくらいヒデオさんは怖い思いをしたんでしょう。

 

気の毒で気の毒でヒデオさんに元気を出してもらう様に声をかけて

あげたいです。

 

 

早く良くなってください。

 

 

 

 

 

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