遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

在宅入浴(おうちのお風呂での介助)の限界

 

 

 

 

おうちの風呂にゆっくり入りたい。

 

これは皆さんが希望される事です。

 

しかし色々な事情でおうちのお風呂には入れない

状況の方がたくさんおられます。

 

そんな方達のためにデイサービスでの入浴がとっても

助かるサービスとして多くの方に利用されています。

 

 

 

長年ヘルパーの入浴介助を利用されている重男さん。

 

脳梗塞で左半身に麻痺があります。

 

でもできる事は自分で頑張っておられます。

 

最初はこの方はデイケアでリハビリと入浴を受けていました。

 

しかし色々な重雄さんなりの希望があって、デイケアから

受け入れ困難と言われてしまいました。

 

・朝の送迎は一番最後にして車に乗っている時間を短くしてほしい。

・車は助手席に乗せてほしい。

・センター内で冷暖房の風が当たらない所に座らせてほしい。

等々

 

どれも自分の体にとって大事な事ばかりです。

 

しかし集団の中では、重雄さんの希望すべてを叶える事が徐々に

困難となってきました。

 

そしてデイケアに行かなくなり、ヘルパーの在宅入浴が始まったのです。

 

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始めるにあたって、浴槽のふちに昇降機を設置してリフトでお湯の中に入る様に

準備をしました。これはレンタルです。

 

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ピンク色のシートの部分が下がっていきます。

 

 

この昇降機設置のおかげで何とか湯船の中に入る事ができるようになり

在宅での入浴も可能でした。

 

通常入浴介助は1時間で行いますが、時間の延長希望の申し出が

あって、1時間半での入浴も行っていました。

  

ところが徐々に筋力が低下し、シート部分に一人介助で座る事ができ

なくなり、更には湯あたりのような状態になった事もあり、

このままでは危険と判断し二人体制で介助する事になりました。

 

二人介助で1時間半はちょっと考えられなかったので、1時間に

短縮してもらう様にお願いしました。

 

しかしご本人は多少ご不満な様子です。

 

1時間半の時、顔の垢とりも希望され、本当に脂とりするように

顔から垢が出てきます。

 

1時間になってもそれを抜かす事ができず、やっていたヘルパーも

いました。

 

重雄さん宅のお風呂は天井から温風が出て、介助するヘルパーは

暑くて汗でずぶ濡れになります。目にも汗が入りしみてきます。

 

そうやって頑張りましたが、やはり重雄さんの歩行も不安定と

なり、お風呂から上がる時も立位困難な状況になってしまい

ました。

 

もう在宅入浴はいつ転倒するかわからない、リスクを抱えた状況

となりました。

 

 

 

 

ケアマネさんもその事は把握しており、またデイケアが望ましいと

思っていますが、希望する以前行っていたデイケアで、どうしても

受け入れしてくれません。

 

ヘルパーは怖いです。もうおうちでの入浴は限界です。

 

都会の様にたくさん施設があるわけではありません。

 

訪問入浴はご本人が拒否しているし、これからどうすればいいのか。

 

明日も重雄さんの入浴があります。

 

なかなか先がみえないけど、限界はすぐそこです。

 

ご本人の希望を叶えておうちのお風呂にずっと入れてあげたい

のはやまやまです。

 

でもお気の毒ですが施設で安全に入浴する事をお勧めします。

 

ごめんなさいね。

 

 

 

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