パーキンソン病で薬が切れると急に体が動かなくなるレイ子さん。
発症してすでに数年たっているので、だいぶ進行しています。
しかし薬が効いている時は、掃除機かけたり廊下にワックスを
塗ったりする事も出来ます。
入浴も体が動いている時に入り、トイレも食事も自分の体と
薬の効きと相談して動いています。
私たちヘルパーはおもに薬が切れて動けない時に訪問し、生活を
サポートしています。
今日の訪問時はトイレで排泄後に突然動けなくなり、トイレの床に
倒れている状態でした。
そんなレイ子さんをバスタオルの上に乗せ、廊下を滑らせて居間まで移動
させていきました。
そんな介助を毎日行っています。
レイ子さんは旦那様と娘さん夫婦お孫さん2人の全部で6人
家族で同居されています。
旦那様は警察官。娘さんは看護師の資格を持ち、今は介護保険の
認定調査員をしておられます。
傍から見たらごく普通のご家族です。
しかしレイ子さんはいつも泣いてばかりいます。
「家族が優しくしてくれない。自分なんていなくても良いんだ。」
いつもこういって泣いておられます。
ヘルパーは体の動かないレイ子さんが悲しむ姿をみたら、いつも
励ましの言葉を投げかけます。
それが嬉しくて話をしているうちに笑顔を見せてくれるようになります。
その事をケアマネさん通じてご家族に報告をすると、ご家族からは
まるで正反対の事を聞かされます。
レイ子さんはわがままですべてが自分の思い通りにならないと気が
すまないし、旦那さんは特に大変な思いをされている様なんです。
私たちはどうしてもレイ子さんの言葉を信じてしまい、ご家族に
対して怒りを感じていましたが、ご家族としたらレイ子さんの
話を鵜呑みにしているヘルパーに対して怒りを感じていた様です。
そんな事がわかってから、レイ子さんご本人の話とご家族の話と
両方を聞きいれレイ子さんへの声掛けも、ご家族を擁護する言葉に
代わっていきました。
そんな日が続くうちに何だかご家族間で解決すればいいような
話をしたり私たちが聞く必要のない話までするようになり、
最近はそういう話にはノーコメントで対応するようにしています。
家族に優しくしてほしい、その代替えをヘルパーがやっている
ような気がします。
ご家族は動けるレイ子さんを知ってるので、ヘルパーに動けない
姿を見せるのは動けないふりをしているだけだと思っています。
パーキンソン病は誤解されやすい病気です。
薬の効いているオンの状態と切れているオフの状態が突然入れ替わる
のがパーキンソン病です。
それを十分理解したうえで、私たちはパーキンソン病で苦しむ
レイ子さんと今後もおつきあいしていきます。
私たちが訪問した時だけでも笑顔になって下さい。
そう願って訪問を続けます。
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