遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

高齢者の「なんか変」に耳を傾けて。

 

 

 

ここ1か月の間に悲しい出来事が続きました。

 

通院介助を利用されている清さん。

 

先日の朝電話が来ました。

 

「明日病院に行きたいんだよ。」

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「どうしました?どこか具合が悪いんですか?」

 

「なんか元気ないんだよ。」

 

「元気がないんですか。どこか痛いとかあるんですか?」

 

「どこも痛くないしご飯も食べてるんだけど、なんか変なんだよ。」

 

「どこの科で診てもらいますか?」

 

「どこがいいんだかな。」

 

どういう症状なのかわからず、元気がない、なんか変。それしか

言いませんでした。

 

その時すぐには通院介助の空きがなく、次の週に眼科の予約があったので

その日に眼科ではなく総合病院に行くことにしました。

 

でもなんとなく気になり、包括看護師に報告したら、その日のうちに

様子を見に行ってくれました。

 

しかし言う事は同じでやっぱり「なんか変なんだよ」しか言わなかった

そうです。

 

そしていつも行っている総合病院の消化器内科に診てもらい、特に問題なく

帰宅しました。

 

ところがそれから数日後、自宅で入浴中に突然亡くなられました。

 

救急車は来ましたが病院には行かなかったので、死因はわかりません。

 

受診した消化器とは関係ない病気だったんでしょう。

 

 不調を訴えられ病院受診までしたのに、残念でなりません。

 

病院に行きたいと電話してきた清さんの声は今でもはっきりと

覚えています。

 

 

 

その数日後今度は前の日に普通にデイサービスを利用し、夕食も

普通に食べて休まれたユキさん。

 

次の日の朝いつもの時間に起きてこないので、家族が声をかけると

 

「なんか変なのよね。」

 

と言ったそうです。

 

それから間もなく意識を失いそのまま亡くなられました。

 

この方はクモ膜下出血だったそうです。

 

頭痛の訴えもなく、言ったのは「なんか変」だけでした。

 

清さんと同じ「なんか変」でした。

 

 

 

そして本日。

 

毎日訪問している太郎さん。

 

尿の濁りと食欲不振を確認できたので、体調を伺うと

 

「何だかパッとしないんだよな。」

 

「どこがどうなんですか?」

 

「どこもどうでもないんだけど、なんか変なんだよ。」

 

え、なんか変。

 

これはほったらかしにできません。

 

「太郎さん、ご飯食べていませんよね。」

 

「いま食べたくなるよ。」

 

「大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫だ。」

 

とは言ってもふらつきあり、すぐに病院に連れて行きました。

 

検査の結果腎不全を起こしており、入院する事ができました。

 

2度ある事は3度あると言います。

 

今回は「なんか変」で不幸なことを起こさずに済みました。

 

普段元気な方が意味不明の「なんか変」は相当変なんだろうなと

思うようにました。

 

まあ大丈夫だろうと思ってほうっておいて、かわいそうな事に

ならない様に、これからも利用者さんの訴えにはしっかり

耳を傾けて医療機関とも連携して在宅で暮らす高齢者を大切に

していきたいと思います。

 

 

 

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