遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

ヘルパー管理者の宿命

 

 

 

以前にも少し話題にしたことがありましたが、事を穏便にやり過ごす

ための手段として、

 

「それはできないって管理者が言っていましたよ。」

 

と言って納得してもらう事。

 

これがまた最近頻繁に使われるんです。

 

ヘルパーに何か困った事があって相談してくれた時、その時は私が

 

「管理者に聞いたらそれはやってはいけない事だと言われました。」

 

と言って、私に言われたと言えばいいと教えています。

 

そうすれば、ヘルパーさん達が直接クレームを言われる事は

ありませんからね。

 

でも実際には介護保険でできない事を依頼された時は、ケアマネ

さんからも、

 

「それはできないんですよ。」

 

と言ってほしいんです。

 

でも言いにくい利用者さんになれば特に

 

「ヘルパーの方からできないって言って。」

 

と言われます。

 

結局私が言ったからになるんです。

 

仕方ありませんけどね。それで穏便にすむんであれば。

 

 

ヘルパーさん達が何か失敗した時、施設長に報告をします。

 

ほとんどの場合私の責任になり、以前の施設長からは、

事務室全部に響き渡る声で、

 

「ばかやろ~~」

 

と怒鳴られたもんです。

 

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以前こんな事もありました。

 

一人の利用者に時間差で二人のヘルパーは訪問してしまい、それぞれが

服薬させてしまい、重複服薬をしてしまいました。

 

この時も二人のヘルパーが訪問してしまった事、重複服薬をしてしまった

事、この2点のミスをおかした事で怒鳴られた上に始末書の提出を命じ

られました。

 

当然の事なのかもしれません。

 

でも事業所のミスすべてをしょわされるのはヘルパー管理者だけなんです。

 

他の事業所ではそれぞれの職員が報告書を提出したり当事者が注意を

受けていますが、なぜがヘルパーだけは管理者がすべてを背負います。

 

私はへルパーさん達のためなら別に怒鳴られても、家族に頭を下げに

行っても良いんです。

 

だったら他の事業所でも管理者が責任を負えばいいのにと、つい思って

しまいます。

 

事業所の事すべてを背負う事。ヘルパー管理者の宿命です。

 

私は法人の3か所目のヘルパー事業所Mステーションの管理者になる

ため、その時にいたKステーションの次の管理者を任命しました。

 

彼女は若いけれど頭の回転もよく、みんなを引っ張っていく能力も

あったので、迷う事なく決めました。

 

そして彼女が管理者になってまもなく、ヘルパーの失敗が発生しました。

 

今管理者になりたてだった彼女にも「ばかやろ~」の雷が落ち

管理者たるものに対する洗礼を受けました。

 

泣いていました。

 

「何なんですか。私は何もやっていないのに私が怒鳴られるんですか。」

 

私は長年やっているので半分慣れっこになっていましたが、やっぱり

始めての彼女にはあまりにも酷だったようです。

 

私は言いました。

 

「ヘルパー管理者の宿命だよ。」

 

そしたら彼女に怒られました。

 

「なんで私を管理者にしたんですか。」

 

そう思いますよね。

 

私はヘルパー事業所の管理者ではありますが、職制でいけば主任で

私の上司には係長や補佐といった人達もいます。

 

その上司たちは、またやったなくらいにしか思っていません。

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けっして助けてはくれません。

 

孤独な立場です。

 

でもこの宿命を背負うのももう少しで終わりです。

 

もう少しの辛抱です。

 

できる事なら次の世代までこんな宿命を背負わなくても良いように

して定年を迎えたいなと思います。

 

 

 

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