遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

自分の気持ちをメモ紙に書いて貼っている

 

 

 

一人暮らしの孝昌さん。

 

気持ちは優しくおっとりしています。

 

大声を出す事もなくいつも物静かにしておられます。

 

私たちは孝昌さん宅に調理で訪問しています。

 

サービスはヘルパー以外にデイサービスと配食弁当も利用されています。

 

私たちにはいつも穏やかな孝昌さんなんですが、ケアマネさんの

話だとデイサービスではそうではない時があるとの事。

 

そんな孝昌さんのお部屋の壁には色々なメモが貼り付けてあります。

 

f:id:maple-enkyorikaigo:20200525191319p:plain

始めは孝昌さんが忘れてはいけない事を紙に書いて貼っていただけ

だったんですが、それが少しずつ変化していきました。

 

「ヘルパーさん有難う。」

 

「いつもありがとう。」

 

この辺りは言葉で言えない事を書いてくれているのかなと思い

お礼の言葉を言ったりしていました。

 

ところがある時、

 

「あと二度と行かないからな。」

 

「殺すぞ。」

 

という物騒な言葉が貼り付けられていました。

 

二度と行かないといえばデイサービスです。

 

何があったんでしょうか。

 

ケアマネさんからは聞いていましたが、ちょっと尋常ではない

言葉です。

 

ヘルパーさんと書いてあれば、ヘルパーに対する言葉だとわかりますが、

書いていない言葉は、誰に向けて書いた言葉なのかがわかりません。

 

ちょっと訪問するのが怖くなってしまいました。

 

その事をケアマネさんにも報告をし、ケアマネさんの訪問時に

この言葉はなんなのかを聞いてもらう事にしました。

 

孝昌さんからの返答は、お弁当やさんがターゲットでした。

 

詳しい内容まではわからなかったみたいですが、孝昌さんの

胸の内にあるものを吐き出す手段がこのメモ紙になった様です。

 

ケアマネさんが話を聞いてあげた事でそれから物騒な言葉は

なくなりました。

 

 

 

 

先日の土曜日、久々にメモ紙があったとの事。

 

それがなんと、

 

「昨日来たヘルパーさん、うるさかったな。」

 

ですって。

 

あららら。

 

おそらく普通に話をしただけだと思いますが、元々が物静かな

孝昌さんですから、騒々しかったんでしょうか。

 

聞く事って、

 

「調子はどうですか?ご飯ちゃんと食べてますか?」

 

そんな程度なんですけど、もしかして来るヘルパー来るヘルパー

毎回同じことを聞いたりしたんでしょうか。

 

先日ケース記録の書き方の勉強会の時に、

 

「体の調子はどうですか」と聞いたら、ほとんどが「変わりないよ」

としか返答はもらえないんだから、もっと具体的な聞き方をした

方が良いですねと言いました。

 

たとえば、「ご飯は美味しいですか」「夜はちゃんと眠れていますか」

 

こんな感じで色々聞いたのかもしれません。

 

でもこれが孝昌さんからのメッセージなので、今後はあまりしつこく

することなく声掛けしなきゃねとみんなで話しました。

 

書かれたヘルパーさんはショックを受けていましたけどね。 

 

直接口にする事は無いんですが、これからも孝昌さんの心のメッセージ

をしっかり受け止めていきたいと思います。

 

書いて教えてくれて有難うございます。

 

これからも変わりなく書いて下さいね。

 

 

にほんブログ村 介護ブログ 高齢者福祉・介護へ
にほんブログ村

お名前.com  

  

国内最速・高安定の高性能レンタルサーバー【ConoHa WING】