私たちが週2回調理で訪問している正敏さん。
冷蔵庫にある食材で調理をしています。
奥さん(母さん)が脳梗塞を発症し施設に入所してしまいました。
両足が不自由な正敏さんは車の運転がまだできるので、自分で
好きなものばかりを買ってきて食事を摂っていました。
しかしそんな食生活を心配した娘さんから調理の援助を依頼され
訪問開始となりました。
何を作っても美味しいと言って食べてくれる正敏さんは、ヘルパー
のみんなにとっては、とっても有難い利用者さんです。
先日同じ部落のK子さんの通院介助に行きました。
そのK子さんからあった話です。
「あんた達、正敏さんわかるか?行ってるべ?」
「あ~、ごめんなさい。他の利用者さんの事は言えないのよ。」
「言ったって良いんだ。本人がヘルパー来てるって言ってるんだもの。」
「そうなんですか。」
「この間部落の集まりあった時、正敏さんたら今が一番幸せだって
言ったんだ。それ聞いたらみんなして泣けてきたよ。」
「どういう事ですか?」
「正敏さんの母さんは正敏さんにものすごく尽くした人なんだよ。
足の悪い正敏さんの足を一生懸命毎日マッサージして、正敏さん
に美味しい物を食べさせたいって、自分よりも正敏さんのために
料理を作って、それで先に悪くなって施設に行ってしまったんだ。
それなのに、あんた達みたいな若い人達がきて美味しい料理を
作ってくれる今の方が幸せだって言ったんだ。母さんの気持ち
を考えたら泣けて泣けてしょうがないよ。」
「そうだったんですね。どんなお母さんなのか私たちは全然
わからないんですが、きっとすごく良いお母さんだったんでしょうね。」
「そうだよ。どこの母さんたちよりも良い母さんだったんだよ。
正敏さんの事も嫌いではないけど、そんなことを言うと思わな
かったね。」
なんか私たちが部落中の母さんたちを泣かしてしまったような
気がしました。
たとえば私たちが作った料理が正敏さんの口に合わなくて
母さんの味を思い出して母さんがいなくなって困ったなんて
事であれば正敏さんもそんな事は言わなかったんでしょう。
でも正敏さんは好き嫌いもなく、決してグルメでもなく、普通の
料理で十分に美味しく食べてくれる人なんです。
ヘルパーの普通の料理で満足してくれる人なんです。
正敏さんのちょっとした言葉が部落の母さんたちを
悲しませてしまい、なんだか私たちも母さんに申し訳なく
思ってしまいました。
でも正敏さんは決して母さんを忘れたわけではなく、家の
近くの施設にいたらいつでも見舞いに行かれるのにといつも
言っています。
その言葉があるから、それを部落の母さんたちにもわかって
ほしいです。
正敏さんのお母さん、安心して療養してください。
正敏さんのお身体は大丈夫ですよ。
栄養のあるものをきちんと食べていますから。
部落の母さんたちも正敏さんの母さんの所に行くことが
あったら、安心するように伝えて下さいね。
ヘルパーは引き続き頑張りますので。
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