遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

今でも気持ちは60代なんです。

 

 

 

胆管炎で入院していた90歳になる重彦さんが、昨日退院

されました。

 

この重彦さんはお元気な時は地域の世話役をやったり、相談役を

やったりした方で、近隣住民からしたら頼りになる存在の方でした。

 

そんな重彦さんが今回の入院で認知症を発症してしまいました。

 

こちらから何か話をしても的確な返答はできなくなっていました。

 

入院中は筋力も落ちてしまい、一時は全介助の状態になってしまった

との事でした。

 

そんな重彦さんにいくらでも元の生活に戻っていただきたく、

ケアマネさんが通所リハビリの利用を勧めました。

 

 

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奥様も歩行もままならない状態では、家で介護するのも大変

なので、少しでも良くなるように通所リハビリの利用を希望

されました。

 

ところが当の本人は全然リハビリの必要性も感じていません。

 

奥様が

 

「こんな歩き方でこれからどうするんですか。」

 

と言ったら、その返事が

 

「ただいま無事に病院を退院してまいりました。」

 

って、まるで的外れの返事をされました。

 

皆が唖然としてしまいました。

 

こういう人ではなかった。

 

そして通所リハビリに関しては

 

「まだ自分の行くところではない。まだ早い。」

 

との事です。

 

もう御年90歳なんです。

 

でもご本人の気持ちはまだ60代なんです。

 

ケアマネさんもどのように勧めていったらいいのかわからなく

なったと言っていました。

 

 

 

 

重彦さんは入院前までは要支援1にも満たない事業対象者でした。

 

だからケアマネさんは今あったばかりの知らない人で、他人が

何を言ってるんだと思っているとケアマネは言います。

 

今までの重彦さんならそんな事は言いません。

 

他人の話をちゃんと聞き、普通に常識ある人でしたから、

奥様も「こんな人じゃなかったのに。」と言っています。

 

とにかく自分が90歳になることは忘れています。

 

この間まで現役だったと思っています。

 

こんな重彦さんをこれからどのように在宅で支えていくのか、

課題は山積みです。

 

決定的な言葉に

 

「俺の事を年寄り扱いするな。」

 

ご本人は大真面目です。

 

でも奥様がボソッと

 

「90歳が年寄りじゃなかったら何歳からが年寄りなのよ。」

 

ケアマネさんもかける言葉を失っていました。

 

 

 

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