遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

やっぱり一人になって変わってしまった。

 

 

 

 

以前ブログの続きになります。

 

 

www.maple-enkyori.com

 

夫婦仲良く生活していたのに、夫の剛夫さんの突然の入所。

 

残された奥さんチヤ子さんの事が心配でした。

 

剛夫さんが入所して半月が過ぎました。

 

入所当初は

 

「チヤ子さん、一人で寂しくないですか?」

 

「な~に、慣れっこだから何ともないよ。営林署の時もいつも

泊まりで出かけて帰ってこなかったからね。」

 

そう言って、比較的元気そうにしていました。

 

ところが、徐々に様子が変わってきました。

 

何かを話しかけても、

 

「考えたくない。何にもわからなくなった。」

 

と言う様になりました。

 

朝の服薬で訪問している私たちは、朝ご飯を食べたかどうかを

確認します。確認と言っても、チヤ子さんに聞くだけなんですが。

 

最初は「あるもので食べたよ。」

 

それから「何食べたっけか。」

 

最近は「食べたいと思わなくなった。」

 

と変化して行きました。

 

そしてとうとう体重の減少がわかり、徐々に痩せてきてしまいました。

 

今までは剛夫さんに食べさせるために、食事の準備もしてきましたが、

自分のためには何もやりたくなくなってしまったんです。

 

 

 

 

 

剛夫さん入所の日、チヤ子さんも一緒に施設に行ってくるもんだと

思っていました。

 

しかしご家族は剛夫さんの入所にチヤ子さんを連れて行きませんでした。

 

家から比較的近くの施設に入所したので、場所を教えてしまったら

毎日自転車で通いかねないと思ったんです。

 

だから施設の名前もチヤ子さんには教えていません。

 

 

ここ数日でまた更に元気がなくなってしまったので、ヘルパー達が

口々にチヤ子さんをこのままにしておけばどんどん低下してしまう

と言います。

 

今日お嫁さんに、チヤ子さんをこのままにしておくのは心配である

事を言いました。

 

お嫁さんも十分にわかっており、息子さんの所に毎日泣きながら

電話をかけてくると言っていました。

 

 

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今後もチヤ子さんと剛夫さんを会わせる予定はないとの事で、

会わせること自体は問題ないが、もしチヤ子さんが剛夫さんに

 

「今どこにいるんだ?」

 

と聞いたりしたら、剛夫さんは素直に答えてしまうだろう。そう

なるとチヤ子さんに施設がばれてしまう。だから会わせられない。

という事でした。

 

 

どう思いますか。

 

あまりにもチヤ子さんが可愛そうで。

 

ご家族の考える事もわかります。最もなんです。

 

でもチヤ子さんの気持ちは永久に晴れません。さらに暗く後ろ向きに

なっていきます。食事も摂らずに水分も摂らないでいたら死んじゃいます。

 

人間「病は気から」

 

本当なんですよ。

 

何とかチヤ子さんを助けてあげるすべを早急に探し、少しでも

元気になってもらいたいと思うヘルパー一同でした。

 

 

 

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