遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

親子の立場が逆転しました。

 

 

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認知症の方って何故かお風呂の事を聞くと、口をそろえて

 

「毎日入っていますよ。」

 

と言われます。

 

この毎日の暑さでも入浴することなく、家族が促しても

全体に入りません。

 

そんな一人の娘さんからケアマネに相談の電話が来ました。

 

この娘さんは軽度の知的障害があり、そのまた娘さんは

重度の知的障害で施設入所しています。

 

おばあちゃんはスミ子さん。

 

このスミ子さんが今まではしっかりしており、娘さんや孫さん

の面倒をみてきていました。

 

娘さんの旦那さんは障害の子供さんが小さい時に出て行って

しまい、女3人暮らしの家庭です。

 

そんなスミ子さんが90歳になった今、とうとう認知症を発症

してしまいました。

 

娘さんの知的障害は軽度なので、生活していくには特に

問題はありません。

 

スミ子さんを病院につれていき、医師の話を聞く事も出来ます。

 

ところが糖尿病で服薬しているスミ子さんですが、薬を服用して

いる事も、病院に定期的にかかっている事も忘れてしまい、娘さんの

手には負えなくなってしまいました。

 

そこで私たちヘルパーの通院介助を依頼してきました。

 

通院介助でヘルパーを利用し気に入ってくれた娘さんは、今回

入浴をしないスミ子さんの入浴介助を依頼してきました。

 

元々しっかり者のスミ子さんです。

 

入浴していない事を指摘され、大激怒。娘さんに

 

「あんたが何を言ってるのよ。お風呂にはいっていないわけが

ないでしょ。いい加減な事言わないでちょうだい。」

 

 

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スミ子さんにすれば、知的障害のお前が何を言うって思って

います。

 

でも今はスミ子さんが認知症となり、全く立場が逆転してしまった

んです。

 

服薬の準備も娘さんがやっています。

 

でもスミ子さんはそれを認めません。

 

今回の入浴の依頼も、私たちは娘さんからの依頼で来たのでは

なく、

 

「毎日暑いですね。利用者の皆さんが熱中症になっていないか

様子を見に来ました。汗をかいていると寒くなってしまうので

皆さんの体を拭いて回っていました。」

 

嘘も方便です。

 

こんな感じで声を掛けたら、

 

「あら、悪いわね。こんな事してもらった事無いわ。」

 

と言って清拭をする事が出来ました。

 

シャワー浴までもっていけたらよかったんですが、そこまでは

できませんでした。

 

娘さんからの依頼だと知ったら完全に拒否だったと思いますが、

娘さんの意向は言わずに行ったら割と素直に清拭ですが

やらせてくれました。

 

この親子さんの場合は、今まで通りお母さんのスミ子さんを

たてて親子の立場が逆転してしまっている事がわからない

ように、娘さんからのご依頼を受けていきたいと思います。

 

 

これからこの親子さんには色々な事が起こると思われます。

 

今から少しずつ関わっておき、高齢のスミ子さんのこれからを

娘さん・ケアマネさんと共に考えていく必要があると思います。

 

多少の障害はありますが、娘さんには頑張ってもらいたいです。

 

協力しますよ。

 

 

 

 

職場の木にきれいな苔が生えていたので、思わずシャッターを

きりました。

 

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木に自生した苔。とってもきれいです。ホソバオキナ苔(山苔)でしょうか。

 

癒されます。

 

 

 

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