遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

本人に尿臭を伝えるタイミング

 

はちみつセット

 

 

排泄の失敗が多く尿臭があるご本人に、そのことを直接伝える

のってなかなか難しい事です。

 

週2回お掃除で訪問している中島さんは、まだ70歳になったばかりの

若い利用者さん。

 

玄関を開けた瞬間から尿臭があります。

 

掃除機をかけて床拭きをしてトイレ掃除をしても尿臭がなかなか

なくなりません。

 

その原因ははっきりしています。

 

本人の衣類が原因です。

 

洗濯はどうしているのか聞くと自分でやっていると言われ、

私たちにはやらせてくれません。

 

そんな中島さんの事で社会福祉協議会の包括支援センターの

担当から電話が来ました。

 

「実は中島さんが通われてる病院から電話が来まして、

先日受診された時、雨の中傘もささずに来て、中に入った

途端待合室が尿臭でひどかったんですって。」

 

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そして昨日中島さんの所に行って、そういう電話があった事を

話したそうです。

 

私たちが言いたくても言えなかったことを病院から言われた

と言って話したんです。

 

そしたら中島さんが、

 

「そうか、おしっこ臭かったのか。」

 

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かなりのショックを受けていたそうです。

 

それはそうですよね。他人からおしっこ臭いですって言われたら

ショックですよね。

 

引き続き包括の担当が聞いたそうです。

 

「着替えはどうしているんですか。」

 

「1週間に1回着替えている。」

 

「お風呂は?」

 

「毎日入っている。」

 

そこで

 

「おしっこのニオイの原因は失敗したままにしている

からです。年齢を重ねればどなたでもある事なので、

中島さんも使い捨てのパンツを使ってみてはいかがですか。」

 

そういって購入してきてくれたようです。

 

そして

 

「これからは、毎日パンツを交換して、毎日着替えをして

ちゃんと洗濯した清潔なものを身に着けて下さい。

洗濯もヘルパーさんにお願いすれば良いんじゃないですか。」

 

「洗濯は自分でできるから大丈夫だ。」

 

「洗濯する時はワイドハイターと洗剤と両方を使って臭いと

汚れをしっかり落として下さい、」

 

そこまで言ってくれたそうです。

 

その先はヘルパーの出番です。

 

訪問時今までのような尿臭がないか、衣類はきれいになったか

しっかり洗濯をしているか。

 

そういったところを見てほしいという事です。

 

中島さんは足も悪く歩行できなくなれば困るからと言って

毎日結構な距離を散歩しています。

 

いつも尿臭がひどいまんまです。

 

そのまま囲碁を楽しみにも行っていました。

 

周りはどれだけ迷惑だったんでしょうか。

 

誰一人ご本人に尿臭を伝える人はいませんでした。

 

 

 

今回病院というきっかけを使ってなんとかご本人に尿臭を

伝える事が出来ました。

 

でも中島さんから

 

「このことをヘルパーさんにも言うのか?」

 

と言われたそうです。

 

包括の担当は何も返事をしなかったそうです。

 

その場で「伝えるよ」とは言えなかったそうです。

 

でも、自分から聞いた事にしてくださいと言われました。

 

「知らない」では前に進みませんから。

 

 

 

言いにくい事を伝えるのって本当に大変です。

 

でも伝えた事で一時的にはショックも受けますが、長い目で

みたら絶対に早く伝えた方が良いって事は沢山あると思います。

 

プライドを傷つけない様に言葉を選んで、言われたくない事を

伝える。

 

結果オーライなら言ってよかったと思えます。

 

今回は包括に言ってもらいましたが、言ういいチャンスが

あったからすんなり言えたと思います。

 

言いにくい事も何かのタイミングで言える日が来ます。

 

そのタイミングをいつも探しながら、こういった事は

ご本人に伝えています。

 

 

 

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