利用者のたか子さん。
私たちはたか子さんのお元気な頃をよく知っています。
旦那さんが私たちと一緒に勤務していたんです。
とても上品なきれいな奥さんでした。
そのたか子さんが少しずつ低下していき、最近ではほぼ寝たきりに
なっていました。
昔を知っているたか子さんを新規利用者として契約した時は
とっても複雑でした。
あんなに上品できれいな方だったのに、誰の言う事も聞かない
おばあちゃんになっていたんです。
私たちは毎朝排泄介助で訪問していました。
しかし旦那さんの言う事も聞かず、食事も食べたくないといって
食べず、排泄は全介助の状態なのに拒否し、自宅での介護に対し
限界を感じていました。
ヘルパーよりも先にデイサービスを利用されていましたが、大好きだった
デイサービスも拒否するようになってきています。
あとはショートステイを利用して在宅の継続を試みるしかなくなりました。
ダメ元で利用してみたところ拒否も少なく、始めは1泊から始めましたが
少しずつ連泊ができるようになり、今月は20日もショートに行って
いました。
そしたら今日ケアマネさんにたか子さんが利用しているデイサービス
から電話が来たそうです。
「今月はショートステイに長く入られた様ですね。今後もショート
ステイで過ごされる日が多くなりそうなので、うちの事業所の利用を
一旦中止させていただきます。」
え~。利用しないからって切られてしまったんです。
たか子さんの枠を確保しないで、利用を希望されててキャンセル待ち
している方を入れてしまいたいとの意向だった様です。
更に、
「もしデイサービスを利用したい時は、お宅の方のデイサービスを
利用してもらえば良いんじゃないですか。」
ケアマネさんはショックを受けていました。
あなたに言われる事じゃないでしょって。
本当はたか子さんが大好きなデイサービスだったんです。
行けば楽しんでくるんです。行くまでが大変なだけなんです。
それなのに事業所の方から切られてしまったんです。
ご家族に説明しなければなりません。
ケアマネさんが説明に行くと、旦那さんの顔色が少し変わったそうです。
そうですよね。
こんな経験は初めてだとケアマネさんも言っていました。
私たちの事業所では一時中止というのは、再開がいつでも可能です。
今回このデイサービスからは一時中止と言っても、ほぼ廃止の申し出
だったのでビックリしました。
でもたか子さんも旦那さんもデイサービスよりもショートステイが
今の生活にはマッチしたようなので、実際にデイサースを使う頻度は
確かに減るとは思います。
でももうたか子さんの枠は無くします。他の人を入れますからって。
旦那さんも最後には、まあしょうがないかってあきらめていた
とは言っていましたが、でもとても残念な発言でした。。
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