父が今年初めて自宅ではなく施設で新年を迎えました。
昔は母がおせち料理を手作りして、お決まりの煮物や蒲鉾を重箱に
詰めて新年を迎えたものでした。
家にいる時は私も若かったので、母のおせちを見てもごく当たり前で
何の感激もありませんでした。
しかし今、母が認知症になりおせちも作れなくなって、自分が母と
同じようにおせちを作れるかと言うと、全くできません。
もっと母から教えてもらっておけば良かったとつくづく後悔して
います。
そして父も今年は自宅ではなく施設での新年となりました。
考えるととっても寂しい話です。
父から電話が来ました。
「おめでとうございます。」
「は~い、おめでとうございます。」
「施設のお正月はどお?」
「まあ、それなりだね。昨日のお昼におせち料理が出たんだけどね、
刺身に醤油はついてないし、お赤飯もゴマがほんのちょっと乗っかって
るだけで塩っけもなにもないし、ちょっと残念なおせちだったね。」
「そうなんだ。お刺身の醤油くらいはほしいよね。」
「マグロが刻んで山盛りになってたんだけどね、何の味もなかった。」
「施設ってそういうところだからね。」
「さっきお母さんにも電話してね、何食べたのって聞いたら、お正月の
物を(弟)が沢山買ってきてくれたんだけど、美味しそうだったから
全部食べちゃったって言ってた(笑)」
「食いしん坊のお母さんらしいね。」
「今日はねそれくらいの話題しかないね。」
「良いじゃないそれで。」
「じゃあまたね。お邪魔しました~✋」
いくら施設でも刺身の醤油くらいは付けるでしょう、なんて言えませんでした。
父からの電話を切ってすぐに母にも電話をしました。
「おめでとうございます。」
「おめでとうございます?何かあったかしら。」
「えーー、今日は何月何日よ?」
「え?I DON’T NOだ。」
「新聞は?見てないの?」
「新聞はね(弟)が止めちゃんたのよ。」
「そうか読まないんだものね。」
「私新聞は隅から隅まで読むわよ。」
昔はね。
「今日はお正月です。昨日は仕事だったから今日電話したけど、
まだおめでとうございますでしょ。」
「ああそうか、おめでとうございます。」
「さっきお父さんとも電話で話したよ。」
「そうなの。」
「お父さんね、もうすこしこのまま施設にいたいって。」
「施設が良いみたいだもんね。」
「そうみたいね。」
「お母さんもゆっくり気楽に生活してくださいね。」
「はい、わかりました。」
母には本当に笑わされます。
おめでとうが何かの記念日だと思ったんでしょうね。
お正月の感覚はないみたいです。
しょうがないですけどね。
こんな両親との会話で新年を迎えました。
平穏無事で何よりです。
このまま春まで過ごせたら良いですね。
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