遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

電話に出ない母

 

 

 

父にスマホを持ってもらったのは、施設から言われた家族との

コミュニケーションを大切にするためです。

 

コロナ禍で面会制限もあって、スマホでの会話がまさしく家族と

つなぐ唯一の手段なんです。

 

父はほぼ毎日母に電話をしています。

 

デイサービスに行く日は出かける時間の前にかけています。

 

しかしほとんど出てくれない様です。

 

出かけない日は、食事の時間しか起きていないので、タイミングを

逃せばほとんどつながりません。

 

今日は日曜日です。

 

父から電話がありました。

 

「あのね、お母さんに電話をしてもね、ほとんど出ないんだよ。

どうして出てくれないんだろうね。」

 

 

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「そうだよね。でないよね。だいぶわからなくなってるからね。」

 

「電話くらい出てもらわないと困るね。」

 

「寝てるからね。ご飯の時間は起きてるだろうけど、お母さんの

ご飯の時間はお父さんもご飯の時間だろうしね。タイミングが

悪いよね。」

 

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「そうだね。困ったもんだね。」

 

「この間お母さんの介護度を見直してもらおうと思ってね、認定調査も

来たんだよ。お母さんねだいぶ排泄ができなくなっちゃったんだよね。」

 

「そうなの。」

 

「おしっこしたいと思ったらもう出ちゃうのよね。老化現象だから

しょうがないんだけどね。でも濡れても交換しないのよ。そこが

認知症だよね。」

 

「しょうがないねぇ。」

 

「介護3になったらお父さんと同じように、朝ヘルパーさんに来てもらって

パンツの交換や着替えをしてもわなきゃならないな。自宅での生活が

だいぶ難しくなってきてるよ。」

 

「あ、そう。」

 

「だからね、お母さんの新しい介護度をみてから今後の事を改めて

考えるよ。」

 

「お父さんが申し込んだ特養の申し込みもしようと思ってる。」

 

「分かった。」

 

「またお母さんに電話してみるよ。じゃあね、お邪魔しました~✋」

 

母の認知症の進行について本当は父にはあまり話したくないんですよね。

 

心配かけるだけだし、ショックを与えるような事になるのも嫌なのでね。

 

でも少しずつ伝えておいた方が良いという事もありますので、一応

言葉を選びながら伝えているつもりです。

 

 

母が電話に出ないのも認知症だからですよ。

 

それは父も十分に理解しているはずですが、やっぱり出てほしいですよ。

 

お母さん、電話の存在を忘れないでよ。

 

お父さんは毎日かけてるんだからね。