遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

何歳でも我が子は子供

 

 

 

50歳で脳出血を発症し、57歳の現在も自宅療養をしているUさん。

 

体には後遺症もほとんど無く日常生活に困るような障害は残りませんでした。

 

言語に少し障害が残りましたが、会話をしてて聞き取れない事も

ありません。

 

ただ元々無口なUさんですから、今もあまりしゃべりません。

 

そんなUさんの障害支援の担当さんから、Uさんに就労支援の話が

きました。

 

とても良い事です。

 

最初から本番ではなく、体験してみてからの決定で良いとの事で、

早速行ってみる事になったんです。

 

この就労をとっても喜んだのがUさんのお母さんでした。

 

Uさんの事を今でも「Uちゃん」と呼ぶ程、Uさんの事を溺愛しています。

 

もう57歳ですよ。

 

世間では立派なおっさんですよ。

 

でもお母さんの中では今も可愛い息子さんなんです。

 

就労の話を担当さんが初めて提案した時、Uさん以上にお母さんが喜び

ました。

 

何をそんなに喜んでいるのかと思ったら、お母さんが言った言葉に

私も障害の担当も驚きました。

 

「Uちゃん。まずは彼女を見つける事。」

 

え?今なんて言いました?

 

彼女を見つけるって。

 

 

就労の目的を彼女を見つける事って、ちょっと違うような気がしませんか。

 

お母さん、それはどうかな。

 

 

お母さんはすでに80歳を過ぎました。

 

独身のままのUさんの事をすごく心配しています。

 

「せめて彼女がいればUちゃんも幸せになれるのに」としょっちゅう

言っていました。

 

なかなか出会うチャンスがなかったUさんが、彼女に出会えるかも

しれないと思ったんでしょう。

 

でもUさんもすでに還暦間近です。

 

お母さんはそうは思っていませんが。

 

良い出会いがあるかもしれませんが、最初からそれを目的にしないで

下さいね。

 

 

リハビリもかねて、できる作業を見つけることでこれからの生活にも

はりが出てきたらいい事だと思います。

 

何とか彼女捜しは二の次にしてくださいね。

 

 

 

 

 

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