続きになります。
亡くなった父は斎場に行きました。
夜中に斎場？
聞いた時意味が分かりませんでした。
私の住む地域では、家族が無くなると火葬までの間は自宅やあるいは
ご遺体と一緒に過ごせる葬儀屋さんの持つお部屋などを借りて火葬を
待ちます。
東京にはそういった場所はありませんと葬儀屋さんに言われました。
火葬の日まで斎場でご遺体を安置する場所があると初めて聞きました。
葬儀屋さんがその辺もしっかり押さえて下さっており、スムーズに
事は運びました。
父は警察から斎場に行きましたが、私はその日の宿泊場所も
決まっていません。
弟は高熱でそれどころではなかったので、空いているホテルを探す
しかありませんでした。
ネットで空き情報を調べても、ホテルの電話番号はなかなか出て
きません。
ネットで予約になり、当日のその時間ではほとんど満室の状態
でした。
何処でも良いので空いていそうなホテルに予約も何もなく行ってみるしか
ありませんでした。
そして何とか空いているホテルにたどり着く事が出来ました。
父は夕方の死亡確認でしたので、火葬は明後日になります。
明日は何もできませんが葬儀屋さんの手配で、斎場の父に会わせて
もらえる事になりました。
その旨を私の子供たちにも連絡をしました。
娘は父（東京じい）に最後のお別れをしたいと言い、日帰りで会いに
来てくれる事になりました。
そして２０日、主人と娘と孫２人はそれぞれの飛行機で上京し、羽田で
落ちあって、父のいる斎場に来てくれました。
施設にいる母もその時間に合わせて、斎場に連れてきてもらいました。
弟はまだ痛みが治まらず動けない状態だったので、母の事も施設のご厚意で
施設の車で送ってくれたんです。
斎場で会った父は、安らかでした。
警察で確認した苦しそうな表情はなく、髪の毛も洗ってもらい、
本当にきれいにしてもらっていました。
母は父に
「お父さん、お世話になりました。」
と声をかけていました。
亡くなった事は理解していましたが、
「今朝一緒にご飯も食べたのに、なんで？」
と、今日も昨日もわからなくなっていました。
それくらいはしょうがない事です。
父は９５歳まで元気に会話もできて、大往生だと思います。
肺に少し影があるとは言われましたが、私は老衰だと思っています。
父の体が自然に静かに機能しなくなったんだと思います。
最後は少し苦しい思いをさせてしまいましたが、病気で苦しむ
ような事も無く逝った事は良かったのかなと思うようにしています。
斎場で過ごした時間は、ほんの３０分程度だったと思います。
でも娘も満足したそうです。
火葬には来られないのでお別れ出来て本当に良かったと。
火葬には息子が来てくれる事になりました。
弟はまだ動けません。
結局火葬には、私と主人と息子の３人で参列しました。
火葬前の父に
「お父さん、お母さんの事心配だよね。でも大丈夫だからね。心配しないで。」
と声をかけ、感謝の言葉を述べています。
そして私からの手紙と１冊の聖書だけを入れて、お花でいっぱいにして
送り出しました。
その後お骨になった父を実家に連れて帰りました。
弟は何とか起きており、お骨になった父を家の中で各部屋をまわり、
「ほら、帰ってきたよ。」と声をかけていましたね。
そして元の私の部屋で、今は弟の作業室になっている一番明るい場所に
お骨は置かれました。
我が家には仏壇がありません。祭壇もありません。
普通に生活空間で納骨まで過ごしてもらう事にしました。
納骨は日を改めて行う事にしたんです。
だって、弟が何もできないままにすべてを終わらせるのも何だか
気の毒な気がして。
母がどこまで父が亡くなった事を覚えていられるのか、それも少し
不安があります。
火葬もそうでしたが納骨にも母は連れて行かれないでしょう。
仕方がありません。申し訳ないんですけどね。
割り切る事にしました。
次は納骨です。
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