遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

2台の携帯電話

 

防災グッツ。覗いてみて下さい。

 

 

私たちが母の面会で上京する日が決まり、その日程を弟にも連絡していました。

 

ところが上京の数日前に弟からラインで連絡があり、「体調不良で受診したら

入院になってしまった。」との事。

 

弟の体調が今一つ良くなりません。

 

私たちが上京する頃はまだ車の運転もできないだろうと言われました。

 

まあ無理する必要はないので、自分たちだけで母の面会に行ったんです。

 

その面会の時に、母の携帯電話はもう使えないから引き取ってきた方が良いと

言われました。

 

そうです。もう自分で携帯電話を操作する事が出来なくなってしまいました。

 

父がいる時は父が教えながら何とか使っていたんですが、もうそれもできません。

 

 

 

部屋から施設の玄関まで来てくれた母は、比較的元気でした。

 

「遠くからご苦労さまね。」

 

「この前東京に来た時は(娘や孫)達も来たのよ。でも面会できなかったの。」

 

「あらそうだったの。」

 

「ご飯食べてますか?」

 

「食べてますよ。」

 

「元気そうで良かった。」

 

「あたしは元気ですよ。」

 

会話は以前と変わらない母です。食事もちゃんと摂れているとケアマネさんも

言っていたので大丈夫そうです。

 

「今度は12月に来るからね。」

 

「あらご苦労さまです。」

 

「携帯電話預かっていくね。」

 

施設の人が母の首にちゃんとかけてくれていました。

 

「これの使い方忘れちゃった?」

 

「I  dont  no 」

 

相変わらず英語が出てきます。

 

「じゃあまたね。」

 

ほんの数分の面会でした。

 

でも元気な母と会話ができて良かったです。

 

父の事も母からは何も言いませんでした。

 

忘れちゃったかな。

 

 

母から携帯電話を受け取った時は何とも思いませんでしたが、自宅に戻り

父の携帯と母の携帯を見たら、急に悲しくなってきました。

 

 

私が両親に持たせた携帯電話。

 

父の携帯電話も未だに解約せずにいたんです。

 

でもとうとう二人ともこの携帯電話を使えなくなってしまいました。

 

主を失った携帯電話が二つ。

 

悲しいですね。

 

 

いずれこんな日が来ることは分かっていましたが、実際に二つ並ぶと

心が痛いです。

 

父の携帯電話の保存された写真には、中学校の卒業式の孫の写真がありました。

 

この数日後に突然父はいなくなってしまいました。

 

何の前触れもなく。父が一番驚いたでしょうね。

 

携帯電話はこのまま私が保管しておきます。

 

 

 

12月にまた上京します。

 

母は変わりなくきょとんとした顔して「あら来たの」って言う表情で

迎えてくれると思います。

 

あまり更新しないブログではありますが、また現れますのでよろしく

お願い致します。

 

 

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