遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

母のぼやき

母は母で父が最近変わっちゃってとぼやいたことがありました。

入院直前の話だったと思いますが、

「お父さんがね、最近すごくうるさくて、今日のご飯のメインは何だって言うのよ。」

前にも書きましたが、母は元気な頃、病院の給食に勤務していた事もあり、好き嫌い

が多い父にも栄養バランスを考え、しっかり食事を作っていました。

そんな母の手料理のおかげで、父も母も90歳近くまで大きな病気もせずに、元気で

いられたんだ思っています。

しかしその母の手料理の異変は父が一番感じていたんだと思います。

母の言うように「メインのおかずは何だ。」と言ったかもしれませんが、その言葉も

精一杯母を気遣った言い方をしたに違いありません。怒った言い方をする父ではありま

せんから。

両親の苦悩を考えると、近くにいて毎日一緒にいてあげられたら、どんなに親孝行な

事だろうか。そう思います。

 

しかし、私は遠距離介護だからそんな事言えるんだと思っている方々は多いと思います

す。

今私の住むこの東北の田舎は高齢化率が日本一に近い状態で、若い人達はどんどん都会

に出ていきます。故郷にはやりたい仕事がないんです。

子供が4人いたら、自宅にいるのは1人だけ。その家にいる1人だけが、親の介護に携わ

り、あとの3人は年に数日しか介護にはかかわりません。それが現状です。

毎日自宅でご両親の介護をされている方々のご苦労を、私は仕事で毎日見ています。

きれいごとでは済まされない戦いがあります。そんな皆さんに私はエールを送りたいと

思います。