遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

「あと生きなくていいのに、何で病院に行く必要があるんだ」

 

 

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今日通院介助した91歳のおじいちゃん。

 

今朝おばあちゃんにこう言って病院に行くことを拒否したとの事です。

 

私がお迎えに行ったときは素直に出てこられましたが、それまで

おばあちゃんは大変だったと話していました。

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今日は心臓の超音波検査の日でした。

 

検査は年に2回程度行われます。

 

先日の採血検査でもどこにも異常はありません。

 

お薬は何種類か飲んでいますが、おじいちゃんはその薬でさえ

飲む必要はないと言うそうです。

 

もう楽しみが何もないそうです。

 

趣味だったお庭の植物を見に行く事も禁止されています。

 

転べば大変だから。

 

元々好き嫌いが多いおじいちゃんは食べる楽しみも無い。

 

日中は居間でただ横になっているだけで、面白い事は何にも

無いそうです。

 

だからもういつ死んでも良いんだそうです。

 

なのに、毎日薬を飲んで、定期的に病院に行く意味が分からない

と言われます。

 

このまま自然で良いんだって。

 

悪いところがないか検査も必要ないって。

 

 

この発言におばあちゃんは、だったら早く死ねばと言うそうです。

 

耳が聞こえないおじいちゃんはおばあちゃんがそう言ってる

事は知りません。

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聞こえないから言うんだとおばあちゃんは笑っています。

 

でもいつもおじいちゃんの言葉を聞いているおばあちゃんも、

毎日のご飯支度やおじいちゃんのお世話が限界で、本音は

早くいなくなってくれたら、自分も楽になると言われます。

 

実際にはそんな事は思っていないと思いますが、お二人の

それぞれの言葉を聞いていると、なんて声を掛けたらいいのか

さっぱりわからなくなってしまいます。

 

行きたくもない病院に行き、長い待ち時間を待って診察は

ほんの5分程度。

 

来月は今日の超音波検査の結果を聞きに行きます。

 

でもおじいちゃんは全然聞く必要もないわけです。

 

悪くても良いんです。自然でいいんです。

 

だって91歳なんですから、どこかが悪くても当たり前で

それを治療する必要もないと言います。

 

 

 

私たちは通院介助をして、悪いところは治してもらいたいし、

悪くならない様に検査してほしいと思っています。

 

でも90歳を過ぎて、何も楽しみがなくなってしまうとこういう

風に考えていく方が多いです。

 

子供たちもたまに来るだけ。孫さんも滅多に来ない。

 

夫婦二人だけの生活で面白い事は何もない。

 

なにか一つでも楽しみとなる事がない物でしょうか。

 

 

来月も病院に行く約束はしました。

 

また元気で会いましょうね。

 

そんな事が楽しみになってくれたら良いんですが。

 

 

 

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