遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

父が欲しい物

 

 

 

3年ぶりの上京なのに面会の予約が取れずに、残念ながら面会は

できない事になりました。

 

でも物を届ける事は可能です。

 

丁度母の日でもあるし、何かを届けたら喜んでくれるでしょうか。

 

 

弟に電話をしてみました。

 

「あのさ、今回面会はできないけど、物を届る事はできるの?」

 

「それはできるよ。しょっちゅう行ってるよ。」

 

「例えばさ、パジャマとかどうかしら。」

 

「もうさ、服とかは家にまだまだ沢山あるんだよ。向こうで嫌がる

くらい持って行ったからね。」

 

「そうなのか。お花も迷惑だしね。」

 

「去年送られてきた花もうちにまだそのままあるよ。」

 

「ああ、ブリザードフラワーね。そうか。」

 

「まあ、おせんべいは好きだよ。ハッピーターンとかね。」

 

 

「え、そんな感じ。普通のお菓子だね。」

 

「だって糖尿だから、甘いものはダメだからね。おせんべいも少し

だけなら良いみたいだからね。」

 

「そうよね。食べ物は難しいわよね。困ったな。届けるものが無いね。」

 

「ただ、職員に会うだけでも良いんじゃない?」

 

「職員には会わなくても良いよ。」

 

「父さんがここを出て行けって言われた事は伝えたら良いんじゃないか?」

 

「まあそれはちょっと考える。」

 

「コロナがあったから、誰も施設内には入っていないからさ、密室で

何が起こっているかなんて誰もわからないんだよ。」

 

「まあね。そうよね。」

 

「頭はしっかりしてるから、色々職員にも言ってるんだと思うけど、

でもそんな事言う職員には注意させなきゃダメだろう。」

 

「そうなんだけどね。またお父さんに悪影響があったら嫌だからね。

ストレートには言えないよ。言葉を選ばなきゃ。」

 

「まあいいや。」

 

弟とはこんな会話をして、両親に何かを持って行こうと思いましたが

これというものが見つかりません。

 

 

父から電話が来ましたので、直接父に聞いてみました。

 

「もしもし、みんな変わりない?」

 

「はい、無いですよ。」

 

「良かったね。」

 

「ところでお父さん。今回面会はできないけど、施設までは行ってみようと

思っているのね。何か欲しいものがあったら持って行きたいと思ってるん

だけど。」

 

「そう。あのね、ふりかけが欲しいな。」

 

「ふりかけ?」

 

「ふりかけがあったらもう少しご飯が食べられるような気がしてね。」

 

 

「そうか、ご飯が食べられるなら良いのかな。そういうの持って行っても

良いのかしら。」

 

「それは分からないけどね。」

 

「分かった(弟)に聞いてもらおうかな。」

 

「お父さんはおやつは食べないの?」

 

「食べないね。食欲がないんだ。」

 

「だったらご飯が食べられたらいいね。」

 

「そうなんだけどね。」

 

母は食いしん坊だけど、糖尿であまり食べてはいけない人。

 

父は食欲がなくて食べられない人。

 

美味しいお菓子でもと思ったけど、それは全くの無意味。

 

せっかく行ってもお土産も渡せないなんて悲しいですよね。

 

どうしましょう。

 

父が欲しい物。ふりかけでした。

 

 

 

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