遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

自動販売機の前に立つ母

 

 

 

 

両親二人で特養に入所しています。

 

二人はお互いの部屋へ行って、夫婦の時間も過ごしている様です。

 

 

今も毎週日曜日に父から電話が来ます。

 

「そちらは変わりないですか?」

 

「変わりないよ。お母さんも元気?」

 

「お母さんね、元気なんだけどね、時々お金を持っていないかって

聞いてくるんだよ。だからねお金は無いよって言って、お金を何に

使うのかって聞いたんだよね。」

 

「お金は施設内では持ってないわよね。」

 

「そしたらね、自動販売機からジュースを買いたいって言うんだよ。」

 

「なんか飲みたいのかしら。施設が出す水分だけじゃ足りないって

事かしら。」

 

「さあね良くわからないんだけどね。」

 

 

 

「お母さんに私に電話するように言ってよ。ちょっと聞いてみるよ。」

 

「わかった。伝えるね。」

 

 

そしてしばらくして母から電話が来ました。

 

「もしもし、お父さんがさ、あんたに電話するようにって言ったんだけど

なあに。」

 

「あのさ、お母さん自動販売機からジュースを買いたいの?」

 

「さあ、忘れたわよ。」

 

「お父さんもお母さんも、他の人も、施設の中でお金を持っている人は

いないのよ。飲み物が欲しかったら職員さんに言えば良いんじゃないの

かな。喉乾いちゃうの?」

 

「そうかもね。わかんない。」

 

「施設の中には色んな人いるでしょ。だからお金は誰も持ってないから、

自動販売機は面会に来た人が買うために置いているんじゃないかな。」

 

「そうか。わかりました。飲みたくなったら職員に言えば良いのね。」

 

「そうね。どういう対応をするかはわからないけどね。」

 

「そうなのよ。どこの国の人だかわからないけど、変な人もいるからね。」

 

変な人って認知症の母にもわかるくらい変な人がいるのかしら。

 

職員に。

 

元々食いしん坊ですぐに買いたくなっちゃう母ですから、きっと喉が

乾いたと言うよりは、販売機からジュースを買うと言う行為をしたかった

んじゃないかなと思います。

 

メリハリのない生活をしていると、そんな事もやりたくなるのかも

しれませんよね。

 

特養ですから、やはり何もできない人が多い施設ですから、自動販売機を

置いても、まさか入所者が買いたいと思うとは考えなかったんでしょうかね。

 

母には購入はできないと言いましたが、でもそれも母がまだできる事の一つの

ような気がします。

 

そういう日常的に普通にできるはずの行動が制限されてしまうのはちょっと

残念な気がします。

 

我が施設は時々衣料販売店が出張で来てくれたりします。

 

施設内でショッピングを楽しむ事が出来るように行事に組み込まれています。

 

施設内でもできる事を摘み取らないような取り組みは多少は必要じゃ

ないでしょうか。

 

実際にはなかなか難しいとは思います。

 

でも母の行動を聞くと、お金を使う事も徐々にできなくしてしまう様に

思ってしまいました。

 

仕方無いんですけどね。

 

ごめんね。特養に入所なんてお母さんが希望した事ではなかったんです

からね。

 

やっぱりお母さんは特養じゃなくてグループホームが良かったんだろうね。

 

だけどお父さんと一緒ならその方が良いのかなと思ってさ。

 

まだできる事もできなくさせてしまう事に申し訳なく思います。

 

 

 

 

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