遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

そんなに我慢する必要があるのか

いつも真っ暗な日の当たらない部屋で、暗くなっても電気もつけず、部屋から出る

事もなく過ごしている、とっても優しいおばあちゃん。

 

私たちヘルパーは娘さんが準備した夕食を食べていただくために訪問しています。

 

そのおばあちゃんちには、2階に息子さん夫婦がおられます。

しかし、そのお嫁さんは姑さんの介護には一切かかわりません。娘さんが毎日通って

介護されています。

おばあちゃんにとっても、お嫁さんよりは実の娘さんの方が良いのかもしれません。

でも本当はお嫁さんとも仲良くしたいと思っていると思います。

 

そのおばあちゃんのベッドわきの壁に

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相田みつをさんの「道」が貼ってあるんです。

 

あのお部屋でこれを見ると、せつなくなります。

冬はストーブも自分ではつけず、寒いまま布団の中にもぐっています。

 

じっと我慢しているんですか。

なんでそんなに我慢しているんですか。

ストーブつければいいじゃないですか。電気もつければいいじゃないですか。

 

娘さんに連絡すれば、電気もつけてほしいし、ストーブもつけて温かい部屋で

過ごしてほしいと言います。でもそのおばあちゃんは一緒に住むお嫁さんに

電気代や灯油代の事を言われるのが嫌で我慢しているんです。

 

悲しいですよね。

毎日この「道」を読んで耐えているんでしょうか。

 

私たちヘルパーにはどうする事も出来ない事ですが、何とかしてあげたいと

思ってしまいます。

 

私たちはこのおばあちゃんが大好きです。

認知症もなく何でもよく覚えています。

 

昔何があってこのような家族関係になってしまったのかはわかりません。

でもこんな高齢になってまで、我慢しながら生活しなければならないんでしょうか。

 

高齢者虐待そのものではないでしょうか。

おそらくこのお嫁さんは、自分が虐待しているとは思っていないでしょう。

それをわからせるすべがないのがとっても残念です。

 

いや、ないわけではないんですが、私たちヘルパーには言えません。

娘さんもお嫁さんには言えません。

息子さんも言えません。

 

実はこういう家庭も稀ではないんです。