遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

在宅最終日を迎えた利用者の言葉

自分の自宅で最後まで生活したい。

誰でもそう思います。

しかし、どうしても在宅生活の継続が難しくなってしまう事はあり、

残念ですが受け入れざるを得ない状況に、何とも無念さを感じる

事があります。

 

それは私たちヘルパーが思う以上に、利用者本人が一番感じる事

だと思います。

 

明日の入所が決まっていた利用者さん。(女性)

今日がヘルパー最後の訪問となりました。

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認知所がすすみ、一人での生活が困難となったため、認知症対応型

グループホームへ入所されます。

 

家族にとっては、これでお母さんが、きちんと食事をして、入浴して

家に一人でいるよりもずっと良い生活ができると思い、大変喜ばしい

事なんではないでしょうか。

 

でも、当の本人にとっては、喜ばしい事なんてそんなにありません。

今まで起きる時間も、寝る時間も自由。

誰にも気を遣わず生活できていたんです。

 

それがそうではなくなるわけです。

 

家族が心配してくれて、入所を決めたことは、頭のどこかでは

わかっているんです。

自分が拒否をすれば、また家族に迷惑がかかる事もわかっている

んです。だから仕方なく施設に入所します。

 

そんな利用者がぽつんと、

「結局、私の気持ちを誰も聞いてくれなかった。私の気持ちなんて

通らないしどうでもいいのね。」

 

いや~、せつなかったです。

確かに認知症なのかもしれません。しかし意思や思いはあります。

 

それをヘルパーにはしっかり伝えてくれます。

 

どんな方に対しても、傾聴は必要ですし、すべてはそこから始まります。

 

長年住み慣れた家を離れなければならないっていう事を、考えたことは

ありますか。自分だったらどうしますか。

 

入所前の最後の訪問はとってもつらいです。

 

でも入所された皆さんには、

今までお疲れ様でした。

頑張りましたね。これからはゆっくり自分のためだけ

の時間を楽しんでください。

と言いたいと思います。