自分の自宅で最後まで生活したい。
誰でもそう思います。
しかし、どうしても在宅生活の継続が難しくなってしまう事はあり、
残念ですが受け入れざるを得ない状況に、何とも無念さを感じる
事があります。
それは私たちヘルパーが思う以上に、利用者本人が一番感じる事
だと思います。
明日の入所が決まっていた利用者さん。(女性)
今日がヘルパー最後の訪問となりました。
認知所がすすみ、一人での生活が困難となったため、認知症対応型
グループホームへ入所されます。
家族にとっては、これでお母さんが、きちんと食事をして、入浴して
家に一人でいるよりもずっと良い生活ができると思い、大変喜ばしい
事なんではないでしょうか。
でも、当の本人にとっては、喜ばしい事なんてそんなにありません。
今まで起きる時間も、寝る時間も自由。
誰にも気を遣わず生活できていたんです。
それがそうではなくなるわけです。
家族が心配してくれて、入所を決めたことは、頭のどこかでは
わかっているんです。
自分が拒否をすれば、また家族に迷惑がかかる事もわかっている
んです。だから仕方なく施設に入所します。
そんな利用者がぽつんと、
「結局、私の気持ちを誰も聞いてくれなかった。私の気持ちなんて
通らないしどうでもいいのね。」
いや~、せつなかったです。
確かに認知症なのかもしれません。しかし意思や思いはあります。
それをヘルパーにはしっかり伝えてくれます。
どんな方に対しても、傾聴は必要ですし、すべてはそこから始まります。
長年住み慣れた家を離れなければならないっていう事を、考えたことは
ありますか。自分だったらどうしますか。
入所前の最後の訪問はとってもつらいです。
でも入所された皆さんには、
今までお疲れ様でした。
頑張りましたね。これからはゆっくり自分のためだけ
の時間を楽しんでください。
と言いたいと思います。