遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

夢なのか現実なのか

 

 

はちみつセット

 

 

まあよくある話なんですが、ご本人はいたって大真面目に

話されます。

 

若い時は小学校の先生だった白井さん。

 

旦那様も利用者さんでした。

 

献身的に旦那様を介護され、その時からのお付き合いです。

 

旦那様が亡くなってからもう10年以上たちます。

 

今まで一人で元気にされていました。

 

朗読ボランティアの活動で施設にも来てくれていました。

 

しかし年齢と共に病気も出てきて今回入院され、落ち着いたので

退院されました。

 

認知症状もなく見た目は10年前と変わりません。

 

でも無理をしない様に、私たちはお掃除や入浴介助で訪問して

いました。

 

利用されて半年くらいたった頃だったと思います。

 

訪問したヘルパーさんから報告があり、「白井さんが変な事を言う

様になった」って。

 

そこで私も訪問して実際に白井さんとお話してみました。

 

「私ね夢を見たの。旦那がね大勢のお客さんを連れて帰ってきてね、

これは大変だと思って急いでご飯を炊いたの。そして朝になったら

だーれもいないのよ。だから炊いたご飯を一人で食べてるから大変よ。」

 

夢を見たのと言っていますが、実際にご飯を3合も炊いているんです。

 

どこまでが夢だと自覚し、どこから実際に行動に移したんでしょうか。

 

さらに

 

「旦那がね、ここに横になるっていうから布団を準備したのよ。」

 

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確かに以前旦那さんが寝ていた場所に布団をもってきています。

 

「妹がね「姉さんボケたんじゃない」って言うんだけどね」って。

 

白井さんは大真面目なんです。

 

今までの白井さんを知っているだけに、すぐにかける言葉を

見つける事ができませんでした。

 

旦那様がいなくなってから、今まではこんな事は無かったのに

最近はしょっちゅう夢に出てくるそうです。

 

夢だと言います。

 

見えないものが見えてるのではなさそうです。

 

でもご飯を炊いたり布団を準備したりしています。

 

他のヘルパーさん達は何だか旦那様がいるように感じると言います。

 

確かにいるのかもしれません。

 

でも私は知ってる旦那様なので、別に怖くもありません。

 

白井さんに、

 

「お布団準備してもらって旦那様喜んでいますね。」

 

と声を掛けました。

 

「きっとそうね。」

 

と言いました。

 

「そうなの喜んでるの」とは言いませんでした。

 

やっぱり旦那様と会っているのは夢の中だと認識している様なんです。

 

認知症なのかしっかりしてるのか。

 

 

 

しかし自宅で転倒する回数が増えてしまい、自宅での一人暮らしは

心配との事で白根さんご本人の意思で有料老人ホームへの入所を

決められました。

 

夢の中であっても旦那様が帰宅していたご自宅を離れるのはつらかった

と思います。

 

でも自らが施設入所を希望されたので、それはそれでよかったのかな

と思います。

 

施設に行っても、旦那様はきっと白井さんの夢の中には出てきて

くれますよ。

 

その時は夢の中だけでご飯の支度をして、お布団を敷いてあげて

下さいね。

 

いつも職員さんがいてくれる施設ですから、これからまた安心して

生活してください。

 

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そしていつまでも元気な白井さんでいて下さい。

 

陰ながら応援しています。

 

 

 

 

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