遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

自分の暴言を後悔する常連の利用者

私の勤務する特養グループは、デイサービス、ヘルパー、ショートステイ

等いろいろな事業所があります。

 

基本在宅で生活しているMさん(男性、70歳)はこの3事業所をすべて

利用しながら、一人で生活していました。

脳梗塞の発症から約20年、左上下肢に麻痺があり、自宅でも車いすの

生活をされています。

 

ここ東北では冬の寒さはやはり高齢者には厳しい寒さです。

いや、高齢者だけではありません。

若者もこの寒さや雪が嫌で都会へ行ってしまいます。

 

だから、Mさんも毎年冬期間だけはずっとショートステイにお世話になって

いました。

 

昨日、事件が起きました。

元々短気な性格で、嫌なものは嫌、ダメなものはダメな人でした。

しかしここ最近はだいぶ丸くなり、穏やかに過ごされていたんですが、

ショートステイ利用中に、食事のテーブルの汚れが気になり、

「ここを拭いてくれないか。」

と通りかかった職員に言いました。

それと同時に、居室のコールがなったので、その職員は居室の

コール対応でMさんの要望を聞かずに行ってしまいました。

 

その態度に腹を立て、その職員が戻ってくるなり暴言を吐き、

テーブルの布巾を投げつけたとの事でした。

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Mさんは長年の常連さんで、多くの職員はMさんの性格もわかっているので、

上手に持ち上げながら対応をしていました。

 

しかしまだ新任の職員はそこを上手にかわすことができなかったん

でしょう、Mさんを怒らせてしまったんです。

 

久しぶりに興奮を抑えきれなくなり、言われた職員は委縮してしまった

様です。

 

ショートステイの管理者も今年の4月に異動してきたばかりの人で

Mさんのご機嫌をとるのではなく、職員のメンタルを大事にしたいと

思い、今年度の冬期間の受け入れを断る事にしたそうです。

 

さあ大変です。

私たちはMさんの気持ちもわかるし、施設の立場もわかります。

Mさんは冬期間のショートステイを断られた事を知ったら、絶対に

自分の暴言のせいで断られたとわかるはずです。

絶対に後悔します。

 

担当ケアマネが明日にでも、その旨をMさんに伝えるでしょう。

どういう反応を示すのか。

 

他のショートステイを探す話になると思いますが、なんとなく

Mさんがかわいそうな気がしてしまいます。

 

いままで20年近くずっと利用して、不自由な体でありながら

在宅生活が送れたのは、やはり我々の施設の利用があったから

だと思います。

 

それをこんな些細なできごとで、すべてを失うような事に

なります。後悔しかないと思います。

 

今後Mさんがどうなるのか、ケアマネがなんて説明するのか

明日以降わかると思います。