遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

今後が心配な利用者さん

 

 

はちみつセット

 

 

先日退院カンファレンスに行った利用者イサムさん。

 

元々通院介助を利用されていたのですでに契約は済ませています。

 

でもここ最近通院の依頼もなく、しばらくお会いしていませんでした。

 

入院されていた事も知りませんでした。

 

今までは事業対象者という限りなく自立に近い状態の元気な方でした。

 

そのイサムさんがどうしたのか低栄養による貧血でめまいを起こし

自宅で転倒され、発見したのが移動販売車の人だったとの事。

 

救急車を要請し検査した所、ろっ骨骨折でした。

 

でもろっ骨骨折で入院する事はほぼありません。

 

今自宅に戻しても一人暮らしのイサムさんはご飯の準備もできない

ので、包括の担当が介護サービスの段取りができるまで、なんとか

病院に置いてくれないかとお願いし、仕方なく1週間だけ入院する

事になったそうです。

 

そして退院の日が来ましたが、まだ車いすの状態です。

 

トイレにも車いすのまま看護師さんの介助で行っています。

 

そんな状態では自宅での一人暮らしは無理です。

 

トイレにも行かれません。

 

ショートステイに行って歩行器歩行から自分で歩くリハビリを

してから自宅に戻る様に病院から本人に提案がありました。

 

そして退院カンファレンスとなりました。

 

ショートステイの担当者、ヘルパー、福祉用具がカンファレンスに

参加しました。

 

イサムさんのためにみんなが良かれと思う事を提案しました。

 

ところがイサムさん、まずショートステイに行かないと言い出しました。

 

「車いすの状態で家に帰って、トイレも行かれないしどうするの。」

 

病棟の看護師さんが大きな声で言いました。

 

「行かない行かない。家に帰れば大丈夫だ。」

 

家に帰れば元通りに何もかもができるようになると言います。

 

低栄養で筋力低下し、立ち上がりも介助でしかできず、やっと

立っている状態です。

 

「ご飯はどうするの。」

 

「それはヘルパーに来てもらわなきゃ困る。」

 

「ヘルパーさんだって急に来られないでしょ。準備が必要でしょ。」

 

「施設に行ってる場合じゃないんだ。犬がいるんだ。」

 

そういう事か。

 

そうなんです。凶暴な犬がいるんです。噛むんです。イサムさんの犬。

 

大きくはないんですが、以前は室内で飼っていましたが、ここ最近は外に出して

いました。紐を長~くして。

 

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イサムさん生活保護の受給者で、今は犬の世話を本家の人がやっている

そうで、それも生活保護の担当が頼み込んでやってもらっているそうです。

 

実はイサムさん、日ごろから親戚とは折り合いが悪く、娘さんからも

関わりたくないと言われている人なんです。

 

とにかく一人なんです。

 

イサムさんが自宅に戻ればみんなが離れていきます。

 

歩けないからと言って、噛む犬をまた家の中で飼われたら、ヘルパーは

中に入ることができません。

 

みんなの説得でなんとか1週間だけショートステイに行くことには

なりましたが、29日に退所して自宅に戻ります。

 

そこからどんな生活になるんでしょか。

 

ショートでどこまで動けるようになるんでしょうか。

 

頑固一徹なイサムさん。

 

何とかお手柔らかにお願いしますよ。

 

 

 

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