遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

10日分の薬代金が4万円を超えた

 

 

 

パーキンソン病の患者さんKさんにとって、内服薬は三度の食事よりも大事な

物として管理されています。

 

Kさんのパーキンソン病は進行は緩やかなのかもしれませんが、今現在は

薬が切れているOFFの時はベッド上で寝返りもできない状態になります。

 

私たちヘルパーは1日4回、日中ご家族が不在の時間に訪問し、色々と

その時の状況に応じてトイレ誘導だったり、食事介助だったりを行って

います。

 

そんなKさんから朝早く電話がきました。対応したのは担当ケアマネだった

のですが、話の内容は

「衣類の入れ替えをしていて、ごみの入ったビニール袋と間違って薬の

入った袋を捨ててしまったみたいで、今朝から服薬ができない。」

 

さあ大変な事が起こりました。

 

朝から服薬していないKさんの体は動くはずがありません。

 

自分への怒りと絶望感でどうする事も出来ない状況でした。

 

その事を同居の娘さんが知っているのかを聞いてみると、

知らないとの事だったので、すぐに娘さんに連絡して、病院から

お薬を処方してもらうようにお願いしました。

 

しばらくするとKさんから電話があり、本人が来ないと処方は

できないと言われたとの事。

 

普段ヘルパーの介助で病院に行っているKさんなので、できれば

いつものように介助をお願いしたいと思って電話をしてきたと

思いますが、急なことで対応が難しく、娘さんに聞いてみていただくよう

お願いをしました。

 

そんなこんなでもめましたが、結局家族が行けば大丈夫との事で

娘さんの旦那さんがもらってきてくれました。

 

ちょうど私の訪問中に薬が届き、すぐに服用していただき、

ご本人はホッと一安心でした。

 

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そこで私の訪問は終了時間となりました。

 

事業所に戻ると、たぶんまたケアマネさんにKさんから電話が来たんでしょう。

 

なんとお薬代が4万円を超えたとの事。

 

そんな金額になるとは思わないお婿さんはビックリしたと思います。

 

普段障害手帳を所持している方は医療費が無料となり、Kさんも病院で支払いを

することはありませんでした。

 

ところが、自分の不注意などで薬を無くした場合、改めて薬を処方してもらう

時は保険がきかず全額自己負担となります。

 

まさか、4万円になるとは誰も思いませんでした。

 

それも次の受診日までの10日分でです。

 

気の毒でした。

 

でもどんなに大金でも仕方がありません。

 

薬を服用できたKさんは精神的にも元気を取り戻し、笑顔で

会話できるようになりました。

 

 

 

定期薬を服用されている方は、紛失には十分気を付けてください。