遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

33歳の娘さん

 

 

最近の若い人は・・・

 

なんて言葉をよく聞きますが、最近の若い人でも素晴らしい人は

沢山います。

 

昨日お母さんの退院に合わせて、ヘルパーと契約をした娘さん。

 

お母さんは私と同世代。

 

2月に脳幹梗塞を発症し、入院加療後リハビリをして昨日自宅に

戻られることとなりました。

 

お父さんはすでに定年退職され、アルバイトをされておりますが、

ここの大黒柱はこの娘さんでした。

 

お会いするととってもかわいい、性格も素直な素敵な娘さんでした。

 

この娘さんが、母の介護と仕事とすべてを自分でやると言われたんです。

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お父さんに食事の準備や、お母さんの排泄介助ができるはずがないと

言われ、自分の留守中の訪問を今回依頼されました。

 

仕事のシフトが不規則で、娘さんの勤務に合わせた訪問となるので、

毎週何曜日と決められない訪問ですが、逆に言うと娘さんが家に

いる時はすべて自分がやると頑張っているので、本音を言えばとっても

心配です。

 

まだ自宅に戻られたばかりで、娘さんもお母さんに優しい言葉をかけて

いると思います。しかしこれから毎日お母さんは家にいます。

 

月日が長くなれば色々な事が起こり、お互いにイライラしたり、怒りたく

なったりする事もあります。

 

ケアマネも私もこの娘さんが自由になる時間を作らなくていいのか、

本当にこれでいいのかと考えてしまいます。

 

仕事してかえって来たら食事の準備をして、留守中に食べる物を準備して

排泄介助して。

 

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そう、夜勤もあるから寝ないで頑張って。

 

こんな生活を続けたら娘さんが倒れてしまわないかと心配になります。

 

そしてさらに娘さんが

 

「私、結婚もしちゃいけないのかなと思っています。私がいなかったら

皆が困りますから。」

 

ケアマネと二人して顔を見合わせてしまいました。

 

そこまで考えていたんだ。

 

今はおつきあいしている人もいないと言っていましたが、今からそんな

事言わないで、と思いました。

 

家族のために自分を犠牲にしているように感じてしまいました。

 

娘さんはそうは思っていません。当然の事だと思っています。

 

本当にきれいな娘さんで、出会いもあるでしょうし十分お相手も

できるはずです。

 

将来ご両親がいなくなった時、自分の家族がいないって考えると

多少困難でも自分の家族を作っておかなきゃって言いたくなります。

 

今は若くて体力もあり、多少無理をしても平気だと思います。

 

でも誰でも年齢を重ねると不調も出てくるし、こんなはずじゃなかった

って事も起こります。そんなときに助けてくれるのが子供だし、旦那さん

だと思います。

 

この娘さん、お金も貯めておかなきゃ両親を施設にお願いしなきゃならない

時に困る事になるから、節約して生活していくんだと言われます。

 

だからヘルパー利用も最低限のところでお願いして、自分ができる事は

自分でやると言っています。

 

 

いや~、脱帽です。

 

 

でもやっぱり、自分の家族を作る事はあきらめないでほしいと思います。

 

自分の番になった時、自分が困る事にまだ気づいていませんから。

 

今はまだお母さんの事で一杯一杯でしょうから言えませんが、しばらく

したら、結婚したっていいんじゃないって言ってあげたいなと思います。