遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

介護の原点。主人の大病④ 意識が戻った。

 

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集中治療室を卒業し何とか一命をとりとめました。

 

しかし病状は急激に快方に向かうわけではなく、まだ時々

高熱を出したりしていました。

 

しかし、ある日同級生がお見舞いに来てくださり主人に

声をかけてくれました。

 

「おい、大丈夫か。頑張れよ。」

 

そしたら、たった今まで反応しなかった主人が急に

我にかえり、泣き出しました。

 

意識が戻った瞬間でした。

 

まだ6歳だった息子が手に持っていたバナナを、突然手でうばい取り

口に運びビックリ。わ、詰まらせる。

 

でもなぜか普通にゴクン。

 

「パパ。」

 

皆で呼びました。

 

そしたら

 

「パンツ・アイス」

 

意識が戻って最初の言葉がこれでした。

 

「何?パンツはくの?アイス食べたいの?」

 

「うん」

 

会話になった~(´;ω;`)ウゥゥ

 

なぜ今意識が戻ったのかは謎です。

 

でも同級生が声をかけてくれた瞬間だった事に間違いは

ありません。

 

でも息子は、僕がバナナをあげたからパパが治ったんだ

と言っていました。

 

今度こそすべてが良くなったかと思っていました。

 

ところがが次なる病魔が現れました。

 

 

 

 

これがなんと、やっとおしっこが出て喜んだばかりだったのに、

今度はおしっこが止まらなくなってしまったんです。

 

「尿崩症」になってしまいました。

 

名前の通りの病気です。

 

今までいくつもの病気に襲われてきましたが、これがほとんど

一つの病気を治すたび現れる副作用から生まれてきた様です。

 

一つ治ると一つ現れる。

 

いつになったら全部いなくなるんでしょうか。

 

この尿崩症は脳下垂体から出るホルモンの異常とのことで、

治療は点鼻薬でした。

 

鼻の粘膜から薬が吸収されるとの事です。

 

来る日も来る日も鼻から薬を入れます。

 

一日に何リットルもおしっこが出ます。

 

おしっこの袋がすぐに一杯になってしまうので、

看護師さんが1~2時間に1回おしっこを袋から

廃棄してくれました。

 

口と点滴から入れる水分量とおしっこの量

 

このバランスが大変でした。

 

でも意識はどんどん回復し、委縮していた脳もほぼ元に

戻り、医師も不思議なくらいの回復と言っていました。

 

尿崩症の治療は続けられていながら、まだ高熱が出ます。

 

体の中にある点滴の針の先にばい菌が繁殖しての熱です。

 

これが次なる病魔です。

 

これがカンジダ菌でした。カンジダ菌が繁殖してしまいました。

 

これがまた厄介なことをしてくれました。

 

このカンジダ菌が目に入り込み、なかなか死滅しません。

 

ジフルカンという点滴治療を行いましたがいつまでも目の

中に残り、薬が効いているのかどうなのか不安なくらい

時間がかかりました。

 

思いだしました。以前敗血症にもなり、治療薬を探すのが

凄く大変でした。

 

薬を使って検査、ダメならまた薬を変えてまた検査。

 

この繰り返しを何回か行い、医師も手探り状態でいろいろな

事を勉強して治療方法を探ってくれました。

 

そして主治医が、

 

「これだよ、今度は効いたよ。」

 

と病室まで走って言いに来てくれます。

 

患者と医師の共同作業の様でした。

 

尿崩症が快方に向かった頃から、今度はカロリーを入れるのに

1日5000カロリーの点滴をしたりして体力の回復にも

焦点を置くようになりました。

 

そしてこのころから、ベッド上で筋力をつけていくリハビリの

方法を習い、私が主人のリハビリを行いました。

 

ここで寝たきりだった人に筋力をつけて、歩行に至るまでを

主人とともに実践しました。

 

目に残ったカンジダ菌がなかなかいなくならなかったので、

退院の許可は見えてきませんでしたが、リハビリを行うのに

はちょうどいい時間が与えられた気がします。

 

春先に入院し、すでに秋になっていました。

 

 

 

 

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