遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

介護にはやっぱり他人が必要

 

 

今日は介護認定更新の時に行う担当者会議にヘルパー事業所

として行きました。

 

担当者会議では各事業所から利用状況等を話し、ケアプランの

見直しや継続など検討されます。

 

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今日伺ったお宅では同居のご家族がいますが、日中は仕事で

不在となるため、毎日服薬介助に訪問しています。

 

利用者は武士さん(仮名)

 

とてもお話が面白く話題も豊富で、いつも楽しい時間を

過ごさせていただいています。

 

この1年体調を崩す事もなく、元気に過ごされました。

 

ケアマネさんからヘルパーの利用状況を聞かれ、

 

・1年間元気で過ごされた事。

・いつも楽しいお話をしていただく事。

・もう少し水分を摂っていただきたい事。

等をお話させていただきました。

 

するとご家族(お嫁さん)から、

 

「ヘルパーさんとは和やかに会話もするんですね。家族とは

ほとんどしませんから。」

 

と言われました。

 

いつも楽しい武士さんからは考えられません。

 

続いてデイサービスから

 

・歩行は歩行器で安定している事。

・食事はほぼ完食されている事。

・更衣も自分でちゃんとできる事。

が話されました。

 

またご家族から

 

「着替えが自分でできるんですか?今まで全部手伝っていました。」

 

デイサービス職員はビックリです。すべて自分でできるのに。

 

ケアマネさんから

 

「家族の前の武士さんと関わる職員の前の武士さんとだいぶ

違いがあるようですね。」

 

長男さんが

 

「うちのおやじがこんなに社交的な人間だとは思わなかった。」

 

やはりご家族には甘えて自分を見てほしくて、何にもできない

ふりをして、そして外にでれば何でもできるところを見せる。

 

多いです。こういう高齢者。

 

本当はできるんです。でもできないふりをしちゃうんです。

 

「やっぱり他人が入らないとダメね。」

 

とお嫁さんがボソッと言いました。

 

 

 

 

その通りです。

 

家族の言う事は聞かなくても、他人の言う事は聞くんです。

 

家族にできる事であってもどうしてもやってくれない場合は他人が

介入した方が早く上手く行きます。

 

今日の武士さんもそうです。

 

私たちが行っている服薬介助は、ご家族でもできる事なんです。

 

しかしいくら家族が服薬を勧めても拒否され、仕方なくヘルパーが

行うことになったんです。

 

その服薬によって体調を崩す事なく元気に過ごす事ができるように

なったのも、ご家族が自分達だけで背負わないで、制度利用を

した事で得られた事だと思います。

 

他人を家の中に入れる事はとっても勇気のいる事だと思います。

 

しかし在宅介護を続けていくのであれば、仕方がありません。

 

私も実家の両親をお願いしています。

 

それによって高齢者が元気になって、家族関係も上手くいく

のであれば、やっぱり他人の介入は必要だと思います。

 

 

 

 

武士さん、これからもヘルパーには楽しい話をしてください。

 

そして着替えは自分でやりましょうね。

 

短い時間でしたが、ご家族にとってとても有意義な担当者会議

だったと思いました。

 

 

 

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