父はいつまでも父です。
これは当たり前だし当然の事です。
でも年齢を重ね体が弱くなってくると、どうしても子供の世話に
ならざるを得なくなってきます。
薬の種類も多くなり、どれをいつ飲むのかも理解できなくなり、
飲んだのか飲んでないのか、そういうところから自分でできなく
なり、同居のご家族に頼ってしまう事になっていきます。
同居のご家族はそれくらいの事は負担なくやってくれます。
そんなに嫌がる家族はいません。
高齢の両親がちゃんと薬を飲んでいることを確認できれば、
安心できますから。
しかし自分ができなくなっても、絶対子供の世話にはならないと
頑張り続ける光男さん。
人工透析を受けておられます。
私たちは通院介助で訪問していますが、ご家族からは「処方箋を
薬局に置いてきてくれれば、仕事帰りに受け取るからそのまま
帰って下さい」と言われています。
しかしそれが面白くない光男さん。
自分の薬は自分で管理するから自分でもらっていくと言われます。
家族と光男さんの板挟みになってしまうヘルパー。
息子さんに電話をかけてその状況を伝えました。
息子さんからは
「親父に渡してしまえば、どこに置いたのかも忘れてしまうから
ダメなんです、だからおやじには渡さないでください。」
との事で、息子さんが光男さんの服薬の管理をしていたんです。
しかし徐々にヘルパーにも怒鳴る様になり、再度息子さんに
電話しました。
「ヘルパーさん達にご迷惑かけてしまって申し訳なかったです。
いいです。親父の言うとおりにしてください。」
そしてヘルパーが怒鳴られなくなったのと同時に、薬は光男
さんの手に渡り、服薬管理ができなくなって、いつどの薬を
飲んでいるのかもわからない状態となってしまいました。
光男さんに服薬の事を聞くと、自分でちゃんと飲んでいると
言われます。
でも実際にはやはり飲めていない様です。
親の心子知らずの反対です。
お嫁さんが作った食事も食べなくなり、透析の無い日の昼食準備に
私たちではなく別のヘルパー事業所が訪問しています。
そのヘルパーさんが作った昼食も食べなくなり、透析終了後に病院の
コンビニに行き、毎回カップラーメンを購入してそれを食べていた様
なんです。
聞いてビックリです。
ヘルパーさんが準備してくれる透析食は美味しくないと言ってカップ
ラーメンを食べるなんてダメです。
しかし私たちも買ってはダメだとも言えません。
「カップラーメンお好きですか?」
「これがうまいんだよ。」
とご機嫌で言われます。
光男さんの体にとってマイナスな事ばかりです。
とにかく父の威厳は保ちたい。
子供の世話にはならない。
実際には何も言えないんですが、もう少し息子さんに頼って
下さいよ。
光男さんが心配で気にかけてくれているんですから。
なんとかお願いします。
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