遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

このままじゃダメでしょう。

 

はちみつセット

 

 

人はそれぞれ色んな人生を歩んでいます。

 

それは10人10色で、同じ人生はありません。

 

利用者さん達にもそれぞれ色々な人生がありました。

 

その中には奥さんに逃げられた人、先立たれた人もいます。

 

子供さんに嫌われた人。親らしいことをしなかったから。

 

仕事で大儲けして良い生活をしていたのに、年金をかけていなかった人。

 

親戚からも嫌われて誰も身寄りがない人。

 

 

 

このすべてが利用者「高坂(たかさか)さん」の事です。

 

高坂さんは人から嫌われ、お付き合いしているのが移動販売車

のお父さんだけ。

 

その高坂さんが骨折入院から帰宅され、先日からヘルパーが訪問

しています。

 

骨折の痛みがなかなか良くならず、痛みと戦いながらも何とか

自宅で生活されています。

 

しかし最近何だか様子が変です。

 

食欲がほとんど無く、水分も少な目。全身の浮腫があり尿量も

極端に少ない。

 

これは普通じゃありません。

 

定期通院で昨日診てもらいました。

 

採血の結果貧血もあるし、腎臓も肝臓も悪くなっているとの事。

 

酸素飽和度も測れず、病院にいる間だけ酸素2リットル流してもらいました。

 

そして98%まで上昇したので、定期薬だけもらって帰宅しました。

 

その時に介助のヘルパーが看護師さんから言われました。

 

「あまりいい状態じゃないから、どう考えているんでしょうか。

在宅は難しいですよ。ショートとか使った方がいいんじゃないですか。」

 

そんなことをヘルパーに言われても。

 

この高坂さんはどこにも行くところがないんです。

 

身元引受人がいないと、ショートステイも断られます。

 

病院も治療はしますが長くはいられません。

 

だからギリギリまで自宅にいて、いよいよ危なくなった時

しか病院にも入院できないんです。

 

今回受診した病院も入院のベッドはありますが、高坂さんの

事は入院の受け入れはしません。

 

お断りです。

 

 

人に嫌われお金も無く生活保護を受けています。

 

でも私たちにとっては大事な利用者さんなんです。

 

見捨てるような事はできません。

 

こんなに具合の悪い高坂さんを誰も受け入れてはくれません。

 

このままでは最悪、ヘルパーが第一発見者になってしまいます。

 

食べられない、おしっこしない、全身浮腫。

 

この状態をほっといたらダメでしょう。

 

 

 

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高坂さんは「どこにも行かない、家で死にたい」と言います。

 

でも私たちはその高坂さんの希望に対して

 

「良いですよ、大丈夫ですよ。」

 

なんて言えません。

 

 

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どこかで助けてほしいです。

 

在宅での看取りはそれなりの対応策が必要です。

 

医師や看護師さんなくできる事ではありません。

 

早く何とかしないと。

 

でも人によっては自業自得だと言います。

 

近隣の方達は特に言います。

 

それはわかりますが、でもやっぱり私たちは高坂さんを助ける

手段を模索しています。

 

ケアマネさんも必死です。

 

最終的には市の生活保護係の担当や長寿課の対応になるんでしょう。

 

身寄りがないってこういうことなんです。

 

お金でもあったら、また違ったんでしょうけど。

 

 

社協の人が行っていました。

 

「街中にいけば、包括の利用者さんにこんな人は一杯いるよ。

これからますます増えるだろうね。」

 

知りたくない現実の話だと思います。

 

 

 

 

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