遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

味覚障害の新規利用者さん

 

 

はちみつセット

 

 

今日新規で契約したイサミさん。

 

肺がんで月1回放射線治療で入院し、それ以外は自宅で過ごされています。

 

肺がんの状態はそんなに悪くなく、治療を頑張っておられるそうです。

 

今回のご依頼は調理です。

 

奥様を亡くされてすでに20年近くなり、一人になってからは手作りの

料理はほとんど食べておらず、夜おつまみ程度の食事だけで済ませて

いたんだそうです。

 

しかし今回肺がんを患い、少しでも元気になるためには、しっかり

栄養を摂って基礎体力をつけていかなければならないとの事で、

調理の依頼となったんです。

 

ただの調理であれば、何の問題もなかったんですが、一つ大きな

難題がありました。

 

それが抗がん剤の副作用の味覚障害です。

 

イサミさんの味覚障害は甘みが強く感じられる事がまずあげられる

そうです。

 

例えば焼肉は大好きですが、市販の焼き肉のたれが甘すぎて

食べられないし、普通に味付けすると何の味も感じられない

とか、ご自分でもどうすればいいのかわからないと言われて

いました。

 

ブラックコーヒーも味がしないそうです。

 

好き嫌いは無く、食材は何でもいいそうですが、手の込んだ

物よりはシンプルな方が良いと言っていました。

 

さあ、何をどのように作りましょうか。

 

例えばと何点か聞いてみました。

 

そしたら、簡単なものを好まれました。

 

・キャベツをお浸しにして鰹節をかけておく。食べる時に

 自分でお醤油をかける。

 

・さつま揚げを焼いて大根おろしをのせていく。食べる時に

 自分でお醤油をかける。

 

・卵どんぶりの具を作っていく。食べる時に自分でご飯の

 上に乗せて食べる。

 

 

こんな簡単な事で十分だそうです。

 

買い物は娘さんが行ってくれるそうで、ヘルパーで買ってほしい物を

言っておけば買っておいてくれるそうです。

 

来週から始まります。

 

 

 

実は先月まで他の事業所のヘルパーさんが訪問していたんです。

 

来ていたヘルパーさんが若いヘルパーさんで、新人さんだった

様です。

 

そして作る時スマホを操作したり、調理もあまりやった事がない

人だった様なんです。

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そして今回事業所変更という事できた依頼だったんです。

 

 

新人ヘルパーさんに今回のような難題を突き付けるのはあまりにも

可愛そうです。

 

事業所の中に対応できるヘルパーさんがいなかったんでしょうか。

 

私たちはほとんどがおばちゃんの事業所なので、たぶん大丈夫だと

思いますが、でもやはり慎重にいかなければと思います。

 

イサミさんが元気になる様に基礎体力が付くようにお手伝いして

いかなければなりませんから。

 

これから長いお付き合いになると思います。

 

一緒に頑張って元気になりましょうね。

 

 

 

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