どちらも高齢の佐藤さんご夫婦。
奥さんが軽度の認知症なので、家事はだんなさんがやっていました。
その佐藤家に今日訪問したヘルパーが、初めて鍋こがしを発見
しました。
今まで一回もそういう事は無く、とても慎重派なだんなさん
でした。
だんなさんといっても９０歳を過ぎたおじいちゃんです。
このまま放っておいていい事はありません。
ケアマネさんに報告をし、ケアマネさんから息子さんの所に
電話をしてもらいました。
電話にはお嫁さんが出ました。
鍋こがしがあった事を報告すると、お嫁さんはほぼ即答で
「ガス台が壊れた事にしてください。そしてヘルパーさん達は
電子レンジでの調理をお願いします。」
その言葉をケアマネさんから聞いてビックリしました。
電子レンジでの調理って。
電子レンジを時短のために使用する事は簡単ですが、すべてを電子レンジで
やるのはどうなんでしょうか。
お二人は毎日具沢山の味噌汁を好んで飲まれます。
それを電子レンジで？
決して時短にはなりませんよ。
お昼にいつも喜ばれるチャーハンはできない事になります。
まさか冷凍チャーハンですか？
そうみたいです。
「適当に食べさせておいてください。しょうがないので。」
適当に？
その言葉はなんでしょうか。
高齢のご夫婦が在宅で生活するのに、今は食べる事が唯一の
楽しみです。
自分の食べたいものを好きなように準備して食べたい時に
食べる生活。
そうやって今まで元気に過ごしてきました。
それなのに「適当に食べさせておいてください」は無いんじゃ
ないですか。
悲しくなりました。
私たちの反応をみたケアマネさんは、再度お嫁さんの所に
電話をしました。
大好きな具沢山の味噌汁も作りにくいしチャーハンも作れなく
なりますよねと改めて伝えました。
するとお嫁さんから、
「じゃあヘルパーさんは使っても良い事にして、終わったら
二人は使わない様に張り紙でもしてきて下さい。そして
使わせないで、使い方を忘れるのを待ちましょう。」
と言ったそうです。
何なんでしょうか。
全然お二人の事を考えていません。
その場だけの返事です。
あきれてしまいました。
午後からケアマネさんが訪問から戻ると、お嫁さんから電話が
あったそうです。
そしたら、IHのレンジ台を事業所に送ってくれるとの事で、ガス台を
どかしてIHに買えて下さいとの事でした。
今まで使っていた物は使えますが、新しい物は使えないと思います。
でももし使ったとしても火は出ないから安心です。
これで何とか調理が続けられそうです。
良かったです。
このまま電子レンジ調理のみで、適当に食べさせるなんてとっても
耐えられません。
遠く離れた義父母を大事にしないお嫁さんに失望しました。
でもまず結果オーライだから良いか。
本当にお嫁さんの悲しい言葉でした。
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