私たちは介護保険の訪問介護員です。
何を言っているんでしょうか。
平たく言えば、何でもやってくれる家政婦紹介所の家政婦さん
とは少し違うという事です。
要するに介護保険ではやってはいけない事が結構あります。
新規契約の時に大まかな説明はしますが、細かいことまでを説明する
時間もなかなか無く、短い説明ですら適当でいいと言われます。
そして実際に利用開始してから、色々な要望が出てきて、実は
それはできないんですという事が結構あります。
その中で特に不便を感じられるのが、入退院の介助です。
普段通院介助を利用されている方が、突然ではなく、後日入院日を
決めて入院する場合、介護保険は使えないんです。
退院もそうです。
でも国の考え方は、そういう時は家族でやりなさい的な考え方
なんだと思います。
入退院くらいは他人じゃなくて家族でしょという事です。
それから良くあるのが、「掃除婦」と言われる事です。
介護保険では、普段生活に使われている部分しか掃除する事は
出来ません。
それも大掃除はできない事になっています。
私たちは掃除の仕事ではありません。
隅々までピカピカにしてほしかったら、お掃除業者を依頼しなければ
なりません。
その辺を理解していない利用者さんがとっても多いです。
私たちが訪問中にどこからか電話が来ると、
「今掃除婦来てるから、後にして。」
っていうんです。
そうか掃除婦か。
切なくなります。
調理で訪問しても、調理師が来てるとは誰も言いません。
昨日訪問したお掃除の援助を受けている利用者さんが、２階の掃除も
してほしいと言われ、それはできないとお断りしてきました。
調理で訪問する利用者さんが、１時間で４日分の調理をしてほしいと
希望されました。
それは無理でしょう。
色々な利用者さんがいます。
その行えないサービス内容を希望されたときにその場でお断りして
くるのも現場に行ったヘルパーさん達なんです。
だからなるべくそういう迷惑をかけない様に、事前の説明でお話
してきたい所なんですが、なかなか完璧には伝える事ができません。
どうしても説明できない時は、改めて私が説明に伺います。
でもしょせん掃除婦なんです。
残念ですが。
掃除婦ってものすごく見下したような表現ですが、実際に
お掃除の仕事をされている方たちのその仕事ぶりは、素晴らしい
ですよ。
病院であれ、ショッピングセンターであれ、この方達がいなかったら
自分達でやらなければならなくなりますからね。
感謝するべき方達だと思います。
だから余計に「掃除婦」っていう風に表現されると、自分はどれだけ
偉いのって思ってしまうんです。
昔はそういう時代もあったかもしれませんけど、今は掃除の
プロもいます。その方達も資格をもってやっています。
だからもう掃除婦とか言わないで。
何だか話が変な方向に行ってしまいました。
私たちは介護の仕事のプロとしてこれからも頑張っていきます。
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