遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

身よりのない人の最期

 

 

はちみつセット

 

 

今の世の中、全く身寄りのない人ってそんなに珍しい事では

なくなってきました。

 

そんな方は沢山いると思います。

 

 

今回私たちが関わって、自宅で息を引き取った男性。

 

まったくと言っていいくらい、関わってくれる人が誰もいませんでした。

 

見つけたのがヘルパー。救急車に乗ったのもヘルパー。

 

病院で死亡後の検査の同意書にサインしてくれたのがケアマネ。

 

最後の死亡確認に立ち会ったのもヘルパーとケアマネ。

 

その後の手続きをしたのが生活保護係の担当。

 

明日火葬に行くのも生活保護の担当。

 

 

 

 

自宅に置いてある福祉用具を引き取りに行くのにも誰かが

自宅に来てくれないと入れません。

 

そこでやっと本家の人が立ち会ってくれる事になったそうです。

 

本人との関りではないからです。

 

そしてさらにお願いをして火葬にも来てもらう事になったそうです。

 

何とか火葬までは出来そうです。

 

 

 

この男性の生い立ちを近所の人が話してくれました。

 

この方は望まれないで生まれた子ようで、父親が2号さんが生ませた子供

だったとの事。その2号さんが子供を置いて外国にいってしまい、

いらない子供を仕方なく育てたとの事でした。

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しかし望まれずに生まれたことを感じ取ったこの男性はどんどん

曲がっていったそうです。

 

そして本家にしたら関わりたくない存在になった様です。

 

大人になって自分も同じような事をしたようで、子供たちがいるのに

違う女の人を家に入れて、子供たちの母親は出ていき子供たちは

本当につらい思いをさせられたようです。

 

だから死んでも父親の所に来るつもりもないと思うとの事

でした。

 

この男性は本来は全く身寄りがないわけではなく、やはり自らが

そういう風にしてしまった様です。

 

この小さな部落ですから、近所の人は色んなことを良く知っています。

 

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仕方がない事だと言います。

 

すべて自分が悪いんだと。

 

でもそれによって他人に迷惑をかけました。

 

今は申し訳ない事をしたと思っているんでしょうか。

 

結局最後は行政のお世話になって最後となりました。

 

 

でもなぜか私たちはこの男性を憎めません。

 

弱くなってからはとても素直で、「ありがとう」の言葉も

ちゃんと言ってくれる人でしたから。

 

昨日の朝の訪問で行ったヘルパーが、食べたかったいなり寿司を

手が届くところに置いてきたんだそうです。

 

夕方行った時呼吸も止まっていましたが、そのいなり寿司は無かった

と言っていました。

 

頑張って食べたんですね。

 

いなりを置いてきたヘルパーはそれを詰まらせてしまったんじゃないか

と心配していました。

 

でも死因は心不全でした。

 

動脈硬化も進み、貧血もあり、腎臓も肝臓もやられていたって医師が

行っていました。

 

食べたかった美味しいいなり寿司を食べて息を引き取ったなら

それは一番本人が喜んでいるし、置いて行ってくれて感謝してる

んじゃないでしょうか。

 

 

 

あっけなく終わってしまったこの男性の最期。

 

色々考えさせられる事が多かったです。

 

 

 

 

 

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