遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

自分の体力低下を感じる年代

 

 

 

悲しいニュースを目にしました。

 

そうです。渡辺裕之さんの事です。

 

最後は自宅のトレーニングルームで迎えられたとの事。

 

ご自分の意思でその場所を選ばれたんですよね。

 

この場所はご自身が一番好きな場所だったに違いありません。

 

その反面、私が思うに、一番自分の衰えを思い知らされる場所だったんじゃ

ないかと思うんです。

 

長年トレーニングをしてきて、今までなんとも思わずにできていた事が

知らないうちに無理をしないとできなくなり、こんなはずじゃなかったと

自分に愕然としたのではないかと思ってしまいます。

 

 

60代ってそんな年代だと思うんですね。

 

まだまだできるはずだと自分では思うんです。

 

できないはずがないと思うんです。

 

でもできなくなるんです。

 

ストイックな方ほど、その感じ方は大きくなると思うんです。

 

 

私たちの仕事もやや似たところがあるような気がします。

 

例えると、爪切りです。

 

若い頃爪切りをしてあげるのが大好きでした。

 

それが今では老眼で細かいところが見えないんです。

 

 

爪が伸びているのがわかっても、切ってあげる事ができないんです。

 

自分の爪なら良いですけど、間違って爪ではない所を切ったりしたら

大変な事になります。

 

ベッドから車いすへの移乗だって、勢いで抱けたものが、今では

無理できなくなりました。

 

これでは介護職として半人前にしかなりません。

 

 

渡辺さんも誰もが憧れるような肉体を維持されていたと思います。

 

しかし年齢と共にその維持が難しくなり、その解決方法も見つけられません。

 

だって老化現象なんですから仕方がないんです。

 

でもそれが渡辺さんには許せなかったのかもしれません。

 

誰も悪くありませんし、誰のせいでもないんです。

 

原因はただの老化なんです。

 

そんな自分をファンに見せる事が出来なかったのかもしれません。

 

いくらトレーニングを積んでも、元の自分には戻れない事が

悔しかったんじゃないでしょうか。

 

これは誰かに相談して解決する事ではなかったんだと思います。

 

自分との戦いなんです。

 

老化ですから。

 

もちろん真相はわかりません。

 

でもなんとなくそんな気がしてなりません。

 

自分に対する絶望だったのかなって。

 

私もほぼ同年代です。

 

自分の衰えを嫌というほど感じます。

 

まだできるはずなのに。こんなはずじゃなかったのに。

 

60代って一番葛藤する年代だと思います。

 

渡辺さん。ゆっくり休んでください。

 

もうそんな事で悩まなくても良いですね。

 

 

 

 

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