遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

身体介護。始めるまでが億劫なんです。

 

 

 

 

週1回身体介護で訪問しているおじいちゃん。

 

訪問するといつも怒っています。

 

「何しに来たんだ。帰ってくれ。迷惑だ。」

 

 

これが毎週のお決まりの言葉です。

 

「先週来た時に来週も来て良いよって言ってくれたじゃないですか。」

 

「言ったかもしれないけど毎週じゃなくて月1回で良いんだ。」

 

「じゃあこの次からはそうしましょう。」

 

「大体な、他人にきたないケツを見られたくないんだよ。」

 

「嫌ですよね。わかりました。じゃあ今日は頭だけ洗う事にしましょう。」

 

「頭だけなら良い。わかった。」

 

ここから身体介護が始まります。

 

頭をお湯で濡らしシャンプーをつけて洗い始めると、

 

「あぁ、良いな~。有難いな~。」

 

さっきまで怒っていたのに、表情もガラッと変わります。

 

「頭洗ってさっぱりしましたね。首の後ろも拭きますから、

ついでに背中も拭きますね。」

 

 

ここからはどうしますと聞かずに、拭きますと言って拭いちゃいます。

 

温かいタオルを背中に当てて温めると、

 

「気持ち良いな。お風呂に入っているのと同じだな。」

 

「さあ、拭きますよ。どうですか。さっぱりしますよね。」

 

「痒い所が気持ち良いな。」

 

「前も拭きますか。」

 

こんな調子でどんどん拭いて行きます。

 

「バケツのお湯、ただ捨てたらもったいないから、足を洗いましょう。」

 

 

 

 

ちゃんと洗わせてくれます。

 

垢もたっくさん出ます。

 

足の血行が良くなり、皮膚の色もピンク色になってきれいになるのが

おじいちゃんにもわかります。

 

「きれいな足になりましたね。」

 

「そうだな。」

 

「さて、どうしますか?ここまでにしますか?」

 

「後なにするって。」

 

「いつもはお尻を洗っていますよ。お尻だけ残します?洗いましょうよ。」

 

「やってもらうか。」

 

結局しっかりと全身きれいにする事が出来ました。

 

 

 

毎週訪問時は億劫で怒っています。

 

でも実際に始めるとさっぱりしますし、気持ちが良いんでしょうね。

 

「来週も来て良いですか?」

 

「お願いします。申し訳ないね。」

 

そう言ってくれます。

 

でも来週もきっと怒っているんでしょうね。

 

可愛いおじいちゃんです。

 

 

 

 

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