週1回身体介護で訪問しているおじいちゃん。
訪問するといつも怒っています。
「何しに来たんだ。帰ってくれ。迷惑だ。」
これが毎週のお決まりの言葉です。
「先週来た時に来週も来て良いよって言ってくれたじゃないですか。」
「言ったかもしれないけど毎週じゃなくて月1回で良いんだ。」
「じゃあこの次からはそうしましょう。」
「大体な、他人にきたないケツを見られたくないんだよ。」
「嫌ですよね。わかりました。じゃあ今日は頭だけ洗う事にしましょう。」
「頭だけなら良い。わかった。」
ここから身体介護が始まります。
頭をお湯で濡らしシャンプーをつけて洗い始めると、
「あぁ、良いな~。有難いな~。」
さっきまで怒っていたのに、表情もガラッと変わります。
「頭洗ってさっぱりしましたね。首の後ろも拭きますから、
ついでに背中も拭きますね。」
ここからはどうしますと聞かずに、拭きますと言って拭いちゃいます。
温かいタオルを背中に当てて温めると、
「気持ち良いな。お風呂に入っているのと同じだな。」
「さあ、拭きますよ。どうですか。さっぱりしますよね。」
「痒い所が気持ち良いな。」
「前も拭きますか。」
こんな調子でどんどん拭いて行きます。
「バケツのお湯、ただ捨てたらもったいないから、足を洗いましょう。」
ちゃんと洗わせてくれます。
垢もたっくさん出ます。
足の血行が良くなり、皮膚の色もピンク色になってきれいになるのが
おじいちゃんにもわかります。
「きれいな足になりましたね。」
「そうだな。」
「さて、どうしますか?ここまでにしますか?」
「後なにするって。」
「いつもはお尻を洗っていますよ。お尻だけ残します?洗いましょうよ。」
「やってもらうか。」
結局しっかりと全身きれいにする事が出来ました。
毎週訪問時は億劫で怒っています。
でも実際に始めるとさっぱりしますし、気持ちが良いんでしょうね。
「来週も来て良いですか?」
「お願いします。申し訳ないね。」
そう言ってくれます。
でも来週もきっと怒っているんでしょうね。
可愛いおじいちゃんです。
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