遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

最期の望み

 

 

 

私たちが訪問している利用者さんの介護者である旦那様が、少し前から

体調が思わしくなく、受診し検査したところ大変な病気だった事がわか

りました。

 

そして悲しい事に余命宣告されてしまいました。

 

 

この旦那さんは定年後もお仕事されていて、日中不在です。

 

お仕事から帰宅すれば奥さんの代わりに家事もやっていました。

 

そんな旦那様にも楽しみがあって、ギターと車を趣味として自分の

時間を過ごされていたんです。

 

先日の訪問日、利用者さんから信じられない事を聞いてしまいました。

 

「お父さんがね、また車買ったみないなのよ。」

 

「え、今ですか。」

 

 

「そうなの。困ってしまったわ。何を考えているのかしら。」

 

そう思われますよね。

 

余命宣告されてすぐに注文した様なんです。

 

車が大好きな旦那様です。

 

今注文した車は、もしかしたら生涯に一度で良いから乗りたいと

思っていた車なのかもしれません。

 

きっとどうしても自分の愛車として乗りたかったんでしょう。

 

夢だったんでしょうか。

 

旦那様にとっては最後の望みなのかもしれません。

 

奥様も分かってはいるんだと思います。

 

でも現実を考えるとやはり無理があります。

 

安い買い物ではありませんからね。

 

支払いをどうするつもりなのか、そんな会話もないままに注文して

しまった様です。

 

いつ納車になるのかもわからないまま、旦那様は入院してしまいました。

 

旦那様の気持ちを考えると、全くの無視もできませんが、主のいない

ところに納車になってしまう可能性もあります。

 

これからどうされるんでしょう。

 

ただのヘルパーなんですが、心配です。

 

 

 

 

 

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