以前パワハラのあった利用者様の事を書いた事がありました。
これは2年ほど前の話です。
今回はセクハラの事例を書きたいと思います。
その前に、
ハラスメント行為は被害者の人格権を侵害する違法な行為で、行った人
には民法上不法行為が成立します。さらに被害者が精神的なショックを
受けたり、治療を要する状態になったり損害が発生したりすれば、損害
賠償責任を負うことになり得ます。
しかし認知症の場合は、自分がハラスメント行為をしている認識や理解
ができない事があり、そういう場合には責任能力がないとして免責され
るのが法律上の決まりです。
私が受けたセクハラもひどいものでした。
当時私はまだ30代で、ヘルパーになって間もない頃でした。
一人暮らしの男性。糖尿病で歩行不可。排泄は自分で処理されている
人でした。
おむつをなるべく汚したくないので、、ビニール袋を自分でつけて、
袋の中に排尿されていました。
私たちは身体介護の計画ではなく、調理や食事の準備で訪問していま
した。ある日、
「ヘルパーさん。袋が取れなくなったから、はずしてくれないかな~。
きつく縛りすぎちゃったんだよ。」
調理中に呼ばれて行ってみると、おむつの前を開いて、袋の中には尿が
溜まった状態で、そのビニール袋をはずしてほしいと言っているのです。
縛った所をほどかなくても、袋を引っ張ればすぐにとれる状態でした。
「これならご自分で取れますよね。ご自分ではずして下さい。」
「ヘルパーさんにはずしてほしいんだよ。触ってくれよ。」
明らかなセクハラでした。
「〇〇さんは触ってはずしてくれたのに、なんでやってくれないんだよ。」
「できません。ご自分でできることはやってください。」
そのうち何故かその方は泣き出してしまいました。
「泣かれても、できません。」
私は断固拒否しました。
その後その利用者宅には男性ヘルパーのみが訪問するように、事業所側からの
配慮があり、何とか解決しました。
また別の寝たきりの男性利用者。老々介護で奥様がいました。
おむつ交換で訪問した際、背中側の衣類を整えるため、右側臥位・左側臥位と
ヘルパー側にも向いてもらう事になります。
そして、背中のシャツをズボンに入れている時に股間を触られました。
初めてやられたときは気のせいかと思いました。
しかし他のヘルパーからも話があり、気のせいではない事がわかりました。
次からはなるべく手の届かない所に立ち、おむつ交換を行うようにしました。
この方にはヘルパー側でも
「こら~」
って言えました。ヘルパーがどんな表情を見せるのか楽しんでいる様です。
こういう事例が時々発生していました。
現在はこのような利用者さんはおらず、セクハラをすればヘルパーに来ても
らえなくなる事が、利用者もわかっているので、ほとんどなくなったのかも
しれません。
しかし、現在でもセクハラの起こる事業所もあるかもしれません。
しっかりした、ハラスメント規定があるか、確認すれば良いと思います。