遠距離介護ダイアリー

東京と東北間での遠距離介護は突然始まりました。私はホームヘルパ ーを25年以上やっており色々な在宅介護を目の当たりにしてきました。人間誰にでも訪れる介護の話を日々綴っていきたいと思っています

これが現実の厳しい状況だった。でも悲しすぎます。

 

 

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先月のブログで、おばあちゃんに悲しい言葉を言ったおじいちゃん

の事を載せました。

 

 

それがこれです。  ↓  ↓  ↓  ↓

www.maple-enkyori.com

 

今回は更に悲しい言葉を聞いてしまいました。

 

そしてとうとう娘さんまで鬱状態に陥ってしまいました。

 

 

 

先日デイサービス利用中の昼食で嘔吐があった茂代さん。次回の利用日

までに病院受診してほしいとデイサービスから言われました。

 

ケアマネを通して娘さんに電話を掛けてもらいましたが、

何度かけても通じません。

 

その日の午後からでもすぐに受診させてあげれば、熱中症や脱水に

なってしまう事も避けられると思い、早く連絡を取りたかったんです。

 

しかし結局夕方まで娘さんからの折り返しの電話はありませんでした。

 

ケアマネさんからその日のデイサービスでの出来事を伝え、早めに

受診する事をおすすめしました。

 

ところが娘さんから帰ってきた言葉は、

 

「もう無理なんです。支払えないんです。病院にも入院費がまだ

支払えないで残っているんです。私が自殺してその保険金で全額

支払えば良いんでしょ。」

 

聞いたケアマネもビックリです。

 

病院受診をそれ以上勧められなくなりました。

 

「わかりました。受診は止めましょう。このまま様子をみる事に

しましょう。」

 

実際にはこんな短いやりとりではありません。

 

かなり娘さんは興奮し、平常心ではなかった様です。

 

 

次の日おむつ交換に訪問したら、比較的元気で食事も摂れていた

茂代さん。

 

茂代さんは、

 

「今朝は娘がトマトを切って持ってきてくれて、食べなって置いていって

くれたんだ。娘も容易でないと思う。」

 

娘さんがたいへんな思いをしていることを知っていました。

 

そしてオムツ交換をちょうど終えたその時、来客がありました。

 

玄関へ出てみると、病院の職員さんでした。事務さんでしょうか。

 

「お支払いのお願いに来ました。ご本人はいますか?」

 

そう言われても、茂代さんはベッド上です。

 

中に入っていただきました。

 

そしておじいちゃんに入院費が溜まっていることを告げました。

 

もちろんその場に茂代さんもいます。

 

そしたらおじいちゃんが

 

「金がないんだよ。年金生活なんだ。今後これ(茂代さんの事)の事を

診ないでくれ。」

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 診察しないでくれって言ったんです。

 

茂代さんは尿管にステントが入っていて、定期的に交換にも行って

います。

 

その受診すべてをやめてくれと。

 

そんな事ってできますか。

 

それって何を意味していますか。

 

お金の厳しい現実を目の当たりにしました。

 

 

お金の事は私たちにはわかりません。

 

でも受診を拒否して良いんでしょうか。

 

お金がないって、こういう事になるんです。

 

 

 

老後2000万円問題ってありますが、年金だけで生活する事が

困難になる事がわかっている今の若い世代には、こんな事が

何処でも起こりそうな気がします。

 

年金自体をかけていない人も多いですから、貯蓄がなかったら

働けなくなった時は何の収入もなく、年金もなくという事に

なります。

 

生活保護もパンクしてしまいそうです。

 

 

 

病院でも一気に全額支払いとは言いません。毎月1000円でもいいと

言っていました。

 

そしたらおじいちゃんも、

 

「わかった、次の年金が出た時集金に来てくれ。」

 

と言ってくれました。

 

ちょっとホッとしました。

 

茂代さんの受診を今後どうするかはわかりませんが、おじいちゃんが

病院代を支払ってくれたら、きっとまた受診できると思います。

 

そう信じています。

 

厳しい世の中の現実です。

 

 

 

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